一つ、二つと地図を壺に戻していた時、ふと、子睿が天幕の隅で地図を整理している玉蓮に視線を投げた。
「玉蓮は、どう思われますか?」
唐突に話を振られ、玉蓮は顔を上げる。
「……何がですか?」
「お二人のどちらがイカサマをしているか、ですよ」
牙門と迅は向かい合い、古びた札を広げたまま固まっている。二人の視線が玉蓮に集まる。 玉蓮は、呆れたように息を一つ吐くと、すぐに玉蓮は腕を上げて、ぴたりとその指で一方を指し示す。
「おそらくは、迅かと。先ほどから、三度、札を配るそのほんの一瞬だけ、左の小指が不自然に動いていましたから」
「げっ」
「ガハハ! 迅、ざまあみろ! お前のその小細工は、玉蓮には通用しねえってことだ!」
迅の顔が引きつり、牙門が腹を抱えて大笑いする。子睿が感心したように「ほう」と息を漏らし、パチンと音を鳴らして扇子を閉じた。
「お見事。指先の微かな動きを見逃さないとは」
玉蓮は、その言葉に特に反応せず、再び地図の整理に戻ろうと体を翻した。が、しかし、その玉蓮の耳に、子睿の笑みを含んだ声が届く。彼は椅子に深く腰掛け、愉快そうに玉蓮を見上げていた。
「玉蓮は、どう思われますか?」
唐突に話を振られ、玉蓮は顔を上げる。
「……何がですか?」
「お二人のどちらがイカサマをしているか、ですよ」
牙門と迅は向かい合い、古びた札を広げたまま固まっている。二人の視線が玉蓮に集まる。 玉蓮は、呆れたように息を一つ吐くと、すぐに玉蓮は腕を上げて、ぴたりとその指で一方を指し示す。
「おそらくは、迅かと。先ほどから、三度、札を配るそのほんの一瞬だけ、左の小指が不自然に動いていましたから」
「げっ」
「ガハハ! 迅、ざまあみろ! お前のその小細工は、玉蓮には通用しねえってことだ!」
迅の顔が引きつり、牙門が腹を抱えて大笑いする。子睿が感心したように「ほう」と息を漏らし、パチンと音を鳴らして扇子を閉じた。
「お見事。指先の微かな動きを見逃さないとは」
玉蓮は、その言葉に特に反応せず、再び地図の整理に戻ろうと体を翻した。が、しかし、その玉蓮の耳に、子睿の笑みを含んだ声が届く。彼は椅子に深く腰掛け、愉快そうに玉蓮を見上げていた。

