その危うい均衡の上に立つ存在から、目が離せない。この男に近づけば、身も心も焼き尽くされると本能が警鐘を鳴らしているのに、体は引き寄せられるかのように、彼の放つ熱に惹きつけられていく。
玉蓮は、ただ本能のままに、彼の胸に顔をうずめた。その男の胸の熱さが頬にじわりと広がり、それと共にあの伽羅の香りが玉蓮を包んだ。彼の汗と血の匂いと混じり合った、この男だけの香り。
そのあまりにも甘い香りに、思考が溶かされていく。意識の中で彼の熱だけが濃く、強く残った。
赫燕の腕が、玉蓮の体を、今にも砕けそうなほど力強く抱き寄せる。衣擦れの微かな音が、布を叩きつける嵐の猛り狂う音に溶け込んでいく。
外では雷鳴が轟き、稲妻が空間を一瞬だけ白く染め上げる。激しい雨が天幕の布を打ちつけ、世界から隔絶されたかのような密室の中で、息遣いだけが響き渡る。
彼の熱い汗が一滴、玉蓮の透き通るような鎖骨の上へと落ちた。その灼けるような熱さに、玉蓮の肌がぞわりと粟立つ。抗いがたい快楽が、甘い痺れとなって背筋を駆け上る。
玉蓮は、その腕の中で微かに震えながらも、その温もりに身を委ねた。赫燕の鼓動が、彼女の耳元で力強く響き、その一つ一つが、玉蓮の心を深く、深く沈み込ませていく。
玉蓮は、ただ本能のままに、彼の胸に顔をうずめた。その男の胸の熱さが頬にじわりと広がり、それと共にあの伽羅の香りが玉蓮を包んだ。彼の汗と血の匂いと混じり合った、この男だけの香り。
そのあまりにも甘い香りに、思考が溶かされていく。意識の中で彼の熱だけが濃く、強く残った。
赫燕の腕が、玉蓮の体を、今にも砕けそうなほど力強く抱き寄せる。衣擦れの微かな音が、布を叩きつける嵐の猛り狂う音に溶け込んでいく。
外では雷鳴が轟き、稲妻が空間を一瞬だけ白く染め上げる。激しい雨が天幕の布を打ちつけ、世界から隔絶されたかのような密室の中で、息遣いだけが響き渡る。
彼の熱い汗が一滴、玉蓮の透き通るような鎖骨の上へと落ちた。その灼けるような熱さに、玉蓮の肌がぞわりと粟立つ。抗いがたい快楽が、甘い痺れとなって背筋を駆け上る。
玉蓮は、その腕の中で微かに震えながらも、その温もりに身を委ねた。赫燕の鼓動が、彼女の耳元で力強く響き、その一つ一つが、玉蓮の心を深く、深く沈み込ませていく。

