翌朝、差し込む光で目が覚めた玉蓮は、開ききっていない瞼のままで、いつものように枕元に手を伸ばした。

「んん……」

姉の形見である、あの鳥に触れる。それが、毎朝の儀式だったからだ。そして、いつものように、そのひびの入った翼をなぞろうとして——指先が、つるりと滑らかな感触に行き当たった。

「——え?」

指先に伝わったのは、あのざらつきではなく、磨かれた木肌のなめらかさ。何度も、何度も、その翼をなぞる。光を浴びるその小さな羽は、真新しい木肌の色を宿している。

「これは……」

飛び出すように天幕を出た玉蓮は、その姿を探す。朝日が降り注ぐ野営地の中心では、男たちが焚き火を囲み、質素な朝食を囲んでいた。

立ち上る煙の向こうに、玉蓮はすぐに探し求める人物を見つけた。彼は、静かな佇まいで、仲間たちと談笑している。しかし、よく見ると、その目元はわずかに赤みを帯びている。

玉蓮の姿を認めた朱飛の肩から、ほんのわずかに力が抜けたように見えた。そして、その、視線がごく自然に彼女が握りしめている、あの鳥へと注がれる。

玉蓮の視線もまた、彼のその赤みを帯びた目元を捉えていた。