俺の恋人が車に轢かれて死んだ。何故か自ら飛び出した。それは7月29日午後1時49分の出来事だった。
彼女の名前は青木夏華(あおきなつか)。常に明るく元気いっぱいだった。
でも、彼女は一瞬で死んだ。
「大丈夫ですか?」
通行人が心配して来た。こんな事聞かれても夏華が還ってくるわけはない。
「…、はい」
俺はただそう答える事しか出来なかった。
その後、警察と救急車が来た。犯人はすぐ逃走したが車の車種やら何やらですぐに逮捕された。俺は夏華の同伴として救急車に乗ったが耐えられなかった。
「残念ながらもう助かりません」
「…、そうですか」
改めて夏華が生き返らない現実を突きつけられた。その時でさえ感情は湧かなかった。
その後、家に着いて大泣きした。そこには彼女の生きていた痕跡がまだ残っていたから。
…ああ、もう一度彼女と会いたいな。