遅咲きのラブレター




探しあぐねた言葉が宙を舞い、思考を放棄したくなる午後2時半。長時間向き合っていたパソコン画面には、何一つ文章とならなかった空白だけが浮かんでいる。


凝り固まった肩をほぐすために、ひとつ伸びをした。ついでに欠伸を溢す。そんな行動がルーティン化しつつあるのに、自分が過ごす毎日はモノクロに色褪せていた。



かたや現実逃避につけたテレビ画面の向こう側。そこには慣れ親しんだ知り合いが、新しいクールのドラマの番宣をする為に出演していた。



『今、飛ぶ鳥を落とす勢いのある程人気のある瀬ヶ崎悠人(セガサキハルト)さんですが、ドラマ出演が絶えないですね〜。休日とかはどのように過ごしてますか?』


アナウンサーが瀬ヶ崎悠人に話題を振る。老若男女をも虜にしてしまいそうな程の見目形と高い演技力とユーモアのある性格から、今や瀬ヶ崎悠人という人間をテレビで見ない日はなかった。


窓から差し込む木漏れ日の眩さと、きらきらな笑顔を振りまくその存在に目を細める。


「売れてんなぁ…」


そんなぼやきが無意識に出てしまうほど、小説家としての自分とは天と地にいる存在。