あの冬の日、みんなとの別れの日からちょうど五年経った新年もあと僅かな日。大学を卒業してからも、俺はずっと独りで歩んでいる。黒い塊がクマだったとしても運転していたのは俺だったわけで、どうしても責任を感じてしまう。当たり前の話だった。

 仕事を終え、アパートに戻ってきた。男やもめ故、寂しい帰宅とこれから始まる料理作りは贖罪のごとく日々を彩ることはなかった。

「ただいま」

 リビングにある四人の写真を見ながら微笑む。しかし誰からも返事はない。努はふぅ~と溜息をつき、部屋のクローゼットを開けて背広を脱ぎ始める。そして、あの時、車で聞いていたBGMを流す。

 まだ美香と付き合っていた頃、大学を卒業してから五年以内の日に結婚しようねと約束していた。写真立の横に買ってきていた婚約指輪を置く。給料三か月分の高価な指輪だ。

「美香、結婚するぞ」

 さすがに誰もいない部屋で声を出すというのは恥ずかしかった。



(待ってたわよ。でも、貴方は幸せになって)

(私の分は? ねぇ、ねー、ねー)

(俺にはくれないのか?)

 彼らの声が聞こえた気がした。


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★実は今年の夏の話なのですが、私も時々参拝に行っております秩父から三峯神社へ行く際、通行止めが発生すると何故か別の県へ行くルートに入ることがあります。X(ツイッター)あたりで調べると分かると思うのですが「いつの間にか別の地方に来てたぞ」という発言があちらこちらに見つかると思います。

私も恐竜のテーマパークみたいなところに出てしまって、そこまでナビが指示しているので(30Kmぐらい走ってから)、間違ってるじゃないか! と大ショック。往復で60㎞もの無駄足を費やしてしまっていたのです。

山道は一本道の為、ナビがミスしていると判断できずに進んでしまうのだと推測、特に道の表示がズレやすくなるエリアとかありますよね(皇居とか)。

あと政二が男装女子と脳内変換すれば、謎の行動が一貫していたりします。