翌日の朝、海莉は神室に頼み込み、車に乗る姿を遠目からスマホで撮影させてもらった。
しぶしぶながらも神室のためでもあるのだからと納得してもらったわけだが、澄ました顔で写った神室はかなりイケメンで、咄嗟についた嘘を再現したにしては申し分のない出来だった。
登校してさっそくそれを隠し撮り写真だとして颯に見せたところ、颯のコレクションの中のどれにも匹敵できないレベルだと目を輝かせ、欲しいとねだられたほどだ。送信してやった礼として、颯は夏休み中に得た神室の情報を特別に教えてやると言って、任せろとばかりに胸を叩いた。
情報なら本人の次くらいに得られる立場にいる。
そんなことは言えるはずもなく、海莉は大げさに感謝を伝えるにとどめ、颯の質問攻めから解放されたことに安堵のため息を漏らした。
その翌日から夏休みに入った。予定は、お盆に新潟の祖父母の家へ帰るくらいしか今のところはない。
神室家は住んでいるここが代々受け継いでいる実家であるらしく、義父の両親はすでに他界している。お盆と言っても、車で数十分の距離にあるお墓参りへ行く程度だそうだ。
ゴールデンウィークと違って、やはり旅行の予定はないようで、一週間ほど滞在する帰省がその代わりとなりそうだ。
『モーニン、海莉! 今日はお昼ごろに勉強道具を持って来てね』
レイのモーニングコールはいまだに続いている。帰国してからも毎朝かかってきて、その日の予定を告げられ、レイのマンションへ行くというのが日課になっていた。
「……んああ、映画じゃなかったっけ?」
『映画は午後だって。僕がランチをつくるから、海莉に食べてもらったあとだよ』
「まじで? ありがとう。何時に行けばいいの?」
『お昼前なら何時でもいいよ。十一時には完成させておくから』
「わかった……」
海莉は答えながらも大きなあくびが出てしまい、同時に尿意を催して、「またあとで」と通話を切った。
レイが帰国して一週間が経っている。あれから三日後にレイの両親がやってきて、神室邸から徒歩五分という近距離にある中層マンションを契約した。
一人暮らしに不自由がないよう、家具や小物などを買いまわったあと、半月後にまた来るからと言ってイギリスへと帰っていった。
レイの両親は、レイの帰国を機に父方の実家、つまり新潟のナナたちの家へ、六年ぶりに帰国する予定を立てているらしく、海莉たちが帰省する時期にレイも両親と向かうことになる。
レイと一緒に同級生たちと会えるのは楽しみだ。しかし、ようやく解放されたというのに、またあの緊張感を味わわねばならない。それだけは、楽しみばかりとはいえない点だった。
「写真を見せてもらっていたけど、実物はもっと素敵ね」
初対面となったレイの母は息子とそっくりの美人だった。驚かされたのは、その美貌だけではなく、生粋のイギリス人であるというのに、息子と同じくらい日本語をよどみなく話していたことだ。さすがは日本史研究をしている人だと感心すると同時に、レイの知力の高さを垣間見た気がした。
「よろしく海莉くん。わがままで頑固な息子だが、どうかよろしく頼む」
レイの父とも母と同様に初対面だ。四人だけという空間では、それだけでも緊張するというのに、なぜか二人からは息子の友人としてだけではない妙な圧を感じてやまなかった。終始探るような目を向けられ、何かをジャッジしているかのような質問を受け、まるで尋問されているかのような気分になった。
レイが二年も早い帰国を実現できたのは、海莉がそばにいるという説得をしたからだと聞いていた。請け負ったわけでもないのに、勝手に背負わされた責任だが、両親にとってはそのせいで息子から引き離されたと感じたのかもしれない。
「大丈夫だって。海莉はそばにいてくれるだけでいいんだから。何かして欲しいわけじゃないよ」
十一時になるより早くレイのマンションへ向かうと、まだレイは準備中だった。お客様のごとくリビングのソファに座らされた海莉は、やることもなく手持ち無沙汰で、キッチンに立つレイに向かって両親の話題を持ち出していた。
「だけど、お母さんたちからすれば、俺のせいでって思ってるのかもしれないし……」
「それは逆だよ。これまで海莉から僕を引き離してたのはママたちのほうだもん。それより、用意ができたよ」
レイはキッチンカウンターから、じゃじゃーんと効果音を口にしながらトレーを持ってやってきた。
「え……どういうこと?」
「ふふ。驚いた?」
レイの満足げな笑みを見るにサプライズだったらしい。だとしたらその目論見は大成功と言えよう。海莉は、これまでの人生で片手に入るくらいに驚いていた。
トレーからローテーブルに並べられた昼食は、祖父母宅のちゃぶ台のうえを思い出すものだった。
新潟の郷土料理であるのっぺや、具がごろごろと入った味噌汁、おそらく塩引き鮭であろう香ばしく焼き上げられた魚に、ひじきの和え物と、とろろやオクラのはいった納豆まで添えられている。海莉の好物ばかりで、神室家ではいっさい出てこない料理の数々だった。
「驚いたよ……どうして……」
「びっくりした? 海莉が好きなもので、でも食べられないってものを久しぶりに味わって欲しかったんだ」
話を聞いて、まだ一万キロの距離を隔てていた頃だが、レイから奇妙な質問をされたことを思い出した。祖父母の料理が懐かしいとこぼしたのをきっかけに、単に懐かしんだ延長で聞かれたことだと思って答えたのだが、それを覚えていてくれたらしい。
「え……まじでばあちゃんのつくったやつみたい」
さっそく食べてみると、感動は口の中からも溢れ出た。レシピがあるわけでもない祖母の味をどうやって再現したのだろう。
わからない。わからないからこそ、涙が滲む。レイが試行錯誤をした努力が伝わってきたからだ。
「よかった。ナナからあの地方の味付けを聞いて、冷凍で送って味見してもらった甲斐があったよ」
「そんなことまでしたの?」
やばい。ほろりどころか、ころりときてしまう。覚えていたどころか、もしかしたらこれを目的として質問したのかもしれない。そんな以前から味付けを研究していたなんて、どれほどの時間と手間をかけたのだろう。
海莉はこぼれそうになった涙を慌てて拭った。
「レパートリーはまだ他にもあるから、楽しみにしててね」
「まじで?」
相手は同性であって、恋愛感情を抱くような相手ではない。それなのに、長年積み重ねてきたレイへの思慕もあってか、感激のレベルが振り切れてしまいそうだった。
昼食を終えて後片付けをしたあと、電車に乗って映画を見に行き、そのあとは服屋や雑貨店をぷらぷらとひやかして、夕食は帰国した日にも行ったファミリーレストランでとった。
その間ずっと、海莉の心臓はばくばくと発作でも起こしたみたいに踊り狂っていた。レイを見ると体温が少し上がってしまう。笑みを向けられるとどきりとして、そばにいることが嬉しくてたまらない。誰かといて身だしなみに気遣ったことなんて一度もないのに、窓ガラスに反射した自分がみすぼらしく感じて、レイと並ぶ自分を直視できなかった。
まるで恋でもしているような感覚だ。
夜はレイのマンションへ戻って、海莉は宿題を、レイはAレベルの試験勉強をすることになり、帰宅したのは九時を回った頃だった。自宅へついてようやく落ち着いた海莉は、疲労しきったとばかりにリビングのソファでぐったりとなった。
「さっそく遊び歩いてんな」
数分ほどして、神室がリビングに現れた。手にはお茶のペットボトルの空き容器や、スナック菓子の空袋を持っている。
「なにしてたの?」
「進めてた」
「えっ? なにを?」
まさかと飛び起きた海莉は、急いで自室へと向かった。テレビがついており、画面には、海莉の見たことのない場面が映し出されていた。
「勝手に入るのはやっぱりまずいかなって最初は遠慮してたんだけど、全然帰ってこねーから知らねって入ったわ」
ゆったりと追いかけてきた神室が、コーラのボトルを片手に部屋へ入ってきて、ソファのうえに腰を下ろした。
「いいよ。いいけど、こんなに進められてたら追いつけなくなるじゃん」
「それこそ知るかよ。各務と遊び呆けてるから悪いんだ」
「遊び呆けてないよ。宿題やったし、それにさ、聞いてよ」
海莉は、神室にレイの魅力を伝えるいい機会だと思いつき、レイから祖母と同じ味つけの料理を振る舞われたことを話した。
感心してくれるだろうと思った。海莉が感動したレベルではないにせよ、そこまで友人のために努力してくれたのだから、他人の耳にも美談に聞こえるはずだと考えた。
「はあ? のっぺって何? 聞いたこともねー料理ばっかだな」
「この家では出ない料理だけど、和食だよ」
「知らないもんは知らん。それよりまじで宿題やってたのか? どこまでいった?」
しかし神室は一笑しただけで、話題もそこで終わってしまった。
色々報告したかったのにと残念だったが、神室とゲームをしていたら夢中になってきて、魅力を語る云々というのは意識から逸れていった。
神室といると、レイとはまた違った楽しさがある。気兼ねする必要もなくなんでも話せるし、まるで交わることのない世界で生きてきたというのに、なぜか価値観が似ており、同じ目線で物事を見ることができる。だからか話が合うし、同じことで笑い合えて、一緒にいると時間を忘れるほど楽しい。
神室もレイと仲良くして欲しいという、身勝手とも言える海莉の願いは、神室との時間が減ってしまうことへの懸念が理由だった。
せっかくこれまで毎日一緒に過ごせていたのに、レイといる限り神室とはいることができない。
二人が仲良くなってくれたら、どちらとも楽しい時間を過ごせる。そう欲張りにも考えていたからだった。
しぶしぶながらも神室のためでもあるのだからと納得してもらったわけだが、澄ました顔で写った神室はかなりイケメンで、咄嗟についた嘘を再現したにしては申し分のない出来だった。
登校してさっそくそれを隠し撮り写真だとして颯に見せたところ、颯のコレクションの中のどれにも匹敵できないレベルだと目を輝かせ、欲しいとねだられたほどだ。送信してやった礼として、颯は夏休み中に得た神室の情報を特別に教えてやると言って、任せろとばかりに胸を叩いた。
情報なら本人の次くらいに得られる立場にいる。
そんなことは言えるはずもなく、海莉は大げさに感謝を伝えるにとどめ、颯の質問攻めから解放されたことに安堵のため息を漏らした。
その翌日から夏休みに入った。予定は、お盆に新潟の祖父母の家へ帰るくらいしか今のところはない。
神室家は住んでいるここが代々受け継いでいる実家であるらしく、義父の両親はすでに他界している。お盆と言っても、車で数十分の距離にあるお墓参りへ行く程度だそうだ。
ゴールデンウィークと違って、やはり旅行の予定はないようで、一週間ほど滞在する帰省がその代わりとなりそうだ。
『モーニン、海莉! 今日はお昼ごろに勉強道具を持って来てね』
レイのモーニングコールはいまだに続いている。帰国してからも毎朝かかってきて、その日の予定を告げられ、レイのマンションへ行くというのが日課になっていた。
「……んああ、映画じゃなかったっけ?」
『映画は午後だって。僕がランチをつくるから、海莉に食べてもらったあとだよ』
「まじで? ありがとう。何時に行けばいいの?」
『お昼前なら何時でもいいよ。十一時には完成させておくから』
「わかった……」
海莉は答えながらも大きなあくびが出てしまい、同時に尿意を催して、「またあとで」と通話を切った。
レイが帰国して一週間が経っている。あれから三日後にレイの両親がやってきて、神室邸から徒歩五分という近距離にある中層マンションを契約した。
一人暮らしに不自由がないよう、家具や小物などを買いまわったあと、半月後にまた来るからと言ってイギリスへと帰っていった。
レイの両親は、レイの帰国を機に父方の実家、つまり新潟のナナたちの家へ、六年ぶりに帰国する予定を立てているらしく、海莉たちが帰省する時期にレイも両親と向かうことになる。
レイと一緒に同級生たちと会えるのは楽しみだ。しかし、ようやく解放されたというのに、またあの緊張感を味わわねばならない。それだけは、楽しみばかりとはいえない点だった。
「写真を見せてもらっていたけど、実物はもっと素敵ね」
初対面となったレイの母は息子とそっくりの美人だった。驚かされたのは、その美貌だけではなく、生粋のイギリス人であるというのに、息子と同じくらい日本語をよどみなく話していたことだ。さすがは日本史研究をしている人だと感心すると同時に、レイの知力の高さを垣間見た気がした。
「よろしく海莉くん。わがままで頑固な息子だが、どうかよろしく頼む」
レイの父とも母と同様に初対面だ。四人だけという空間では、それだけでも緊張するというのに、なぜか二人からは息子の友人としてだけではない妙な圧を感じてやまなかった。終始探るような目を向けられ、何かをジャッジしているかのような質問を受け、まるで尋問されているかのような気分になった。
レイが二年も早い帰国を実現できたのは、海莉がそばにいるという説得をしたからだと聞いていた。請け負ったわけでもないのに、勝手に背負わされた責任だが、両親にとってはそのせいで息子から引き離されたと感じたのかもしれない。
「大丈夫だって。海莉はそばにいてくれるだけでいいんだから。何かして欲しいわけじゃないよ」
十一時になるより早くレイのマンションへ向かうと、まだレイは準備中だった。お客様のごとくリビングのソファに座らされた海莉は、やることもなく手持ち無沙汰で、キッチンに立つレイに向かって両親の話題を持ち出していた。
「だけど、お母さんたちからすれば、俺のせいでって思ってるのかもしれないし……」
「それは逆だよ。これまで海莉から僕を引き離してたのはママたちのほうだもん。それより、用意ができたよ」
レイはキッチンカウンターから、じゃじゃーんと効果音を口にしながらトレーを持ってやってきた。
「え……どういうこと?」
「ふふ。驚いた?」
レイの満足げな笑みを見るにサプライズだったらしい。だとしたらその目論見は大成功と言えよう。海莉は、これまでの人生で片手に入るくらいに驚いていた。
トレーからローテーブルに並べられた昼食は、祖父母宅のちゃぶ台のうえを思い出すものだった。
新潟の郷土料理であるのっぺや、具がごろごろと入った味噌汁、おそらく塩引き鮭であろう香ばしく焼き上げられた魚に、ひじきの和え物と、とろろやオクラのはいった納豆まで添えられている。海莉の好物ばかりで、神室家ではいっさい出てこない料理の数々だった。
「驚いたよ……どうして……」
「びっくりした? 海莉が好きなもので、でも食べられないってものを久しぶりに味わって欲しかったんだ」
話を聞いて、まだ一万キロの距離を隔てていた頃だが、レイから奇妙な質問をされたことを思い出した。祖父母の料理が懐かしいとこぼしたのをきっかけに、単に懐かしんだ延長で聞かれたことだと思って答えたのだが、それを覚えていてくれたらしい。
「え……まじでばあちゃんのつくったやつみたい」
さっそく食べてみると、感動は口の中からも溢れ出た。レシピがあるわけでもない祖母の味をどうやって再現したのだろう。
わからない。わからないからこそ、涙が滲む。レイが試行錯誤をした努力が伝わってきたからだ。
「よかった。ナナからあの地方の味付けを聞いて、冷凍で送って味見してもらった甲斐があったよ」
「そんなことまでしたの?」
やばい。ほろりどころか、ころりときてしまう。覚えていたどころか、もしかしたらこれを目的として質問したのかもしれない。そんな以前から味付けを研究していたなんて、どれほどの時間と手間をかけたのだろう。
海莉はこぼれそうになった涙を慌てて拭った。
「レパートリーはまだ他にもあるから、楽しみにしててね」
「まじで?」
相手は同性であって、恋愛感情を抱くような相手ではない。それなのに、長年積み重ねてきたレイへの思慕もあってか、感激のレベルが振り切れてしまいそうだった。
昼食を終えて後片付けをしたあと、電車に乗って映画を見に行き、そのあとは服屋や雑貨店をぷらぷらとひやかして、夕食は帰国した日にも行ったファミリーレストランでとった。
その間ずっと、海莉の心臓はばくばくと発作でも起こしたみたいに踊り狂っていた。レイを見ると体温が少し上がってしまう。笑みを向けられるとどきりとして、そばにいることが嬉しくてたまらない。誰かといて身だしなみに気遣ったことなんて一度もないのに、窓ガラスに反射した自分がみすぼらしく感じて、レイと並ぶ自分を直視できなかった。
まるで恋でもしているような感覚だ。
夜はレイのマンションへ戻って、海莉は宿題を、レイはAレベルの試験勉強をすることになり、帰宅したのは九時を回った頃だった。自宅へついてようやく落ち着いた海莉は、疲労しきったとばかりにリビングのソファでぐったりとなった。
「さっそく遊び歩いてんな」
数分ほどして、神室がリビングに現れた。手にはお茶のペットボトルの空き容器や、スナック菓子の空袋を持っている。
「なにしてたの?」
「進めてた」
「えっ? なにを?」
まさかと飛び起きた海莉は、急いで自室へと向かった。テレビがついており、画面には、海莉の見たことのない場面が映し出されていた。
「勝手に入るのはやっぱりまずいかなって最初は遠慮してたんだけど、全然帰ってこねーから知らねって入ったわ」
ゆったりと追いかけてきた神室が、コーラのボトルを片手に部屋へ入ってきて、ソファのうえに腰を下ろした。
「いいよ。いいけど、こんなに進められてたら追いつけなくなるじゃん」
「それこそ知るかよ。各務と遊び呆けてるから悪いんだ」
「遊び呆けてないよ。宿題やったし、それにさ、聞いてよ」
海莉は、神室にレイの魅力を伝えるいい機会だと思いつき、レイから祖母と同じ味つけの料理を振る舞われたことを話した。
感心してくれるだろうと思った。海莉が感動したレベルではないにせよ、そこまで友人のために努力してくれたのだから、他人の耳にも美談に聞こえるはずだと考えた。
「はあ? のっぺって何? 聞いたこともねー料理ばっかだな」
「この家では出ない料理だけど、和食だよ」
「知らないもんは知らん。それよりまじで宿題やってたのか? どこまでいった?」
しかし神室は一笑しただけで、話題もそこで終わってしまった。
色々報告したかったのにと残念だったが、神室とゲームをしていたら夢中になってきて、魅力を語る云々というのは意識から逸れていった。
神室といると、レイとはまた違った楽しさがある。気兼ねする必要もなくなんでも話せるし、まるで交わることのない世界で生きてきたというのに、なぜか価値観が似ており、同じ目線で物事を見ることができる。だからか話が合うし、同じことで笑い合えて、一緒にいると時間を忘れるほど楽しい。
神室もレイと仲良くして欲しいという、身勝手とも言える海莉の願いは、神室との時間が減ってしまうことへの懸念が理由だった。
せっかくこれまで毎日一緒に過ごせていたのに、レイといる限り神室とはいることができない。
二人が仲良くなってくれたら、どちらとも楽しい時間を過ごせる。そう欲張りにも考えていたからだった。



