「大丈夫?」
目覚めて最初に聞いた声は、見知らぬ人の声。いや、違う。聞いたことはある。
二重の大きい目。整った顔立ち。見覚えがある。四ッ谷哀賭だ。
「…なんでいるの」
「ダメ?」
おどけているけど、表情は暗い。何かあったのか。
「…なんで私がこの病院にいるってこと、知ってるの」
「俺、もともと『ここ』に住んでるから」
病院に住んでいる。入院?彼の眼は、真っすぐ、私を捉えている。
「入院してるの?」
哀賭くんは、うなずいた。元気そうな彼が、なぜ入院しているのか。不思議だ。
――そして、次の瞬間。私は驚いた。泣きながら笑っているのだ。哀賭くんが。
無理して笑っているような表情。綺麗な目からは、透明な涙がこぼれる。
何を助ければいいの。あなたは、何を抱えているの。暗い瞳が、哀賭くんの人生を物語っている。
でも、読めない。苦しくて、悲しいことしか分からない。
むしゃくしゃしてたまらなかった。でも、必死に息をした。窒息しそう。直視できない。
まぶしい。どうしようもなもなく好き。助けたい。あなたの想い全部を吐き出してほしい。
あなたの過去を、言葉として私に紡いでほしい。捧げてほしい。
「好き」。この二文字が大嫌いになった。
もともと、愛は嫌いだ。でも、恋を経験して、もっと嫌いになった。
このもどかしい思いを、どうやって言葉にするか分からなかった。だから泣いた。
想いを、涙として、排出した。
目覚めて最初に聞いた声は、見知らぬ人の声。いや、違う。聞いたことはある。
二重の大きい目。整った顔立ち。見覚えがある。四ッ谷哀賭だ。
「…なんでいるの」
「ダメ?」
おどけているけど、表情は暗い。何かあったのか。
「…なんで私がこの病院にいるってこと、知ってるの」
「俺、もともと『ここ』に住んでるから」
病院に住んでいる。入院?彼の眼は、真っすぐ、私を捉えている。
「入院してるの?」
哀賭くんは、うなずいた。元気そうな彼が、なぜ入院しているのか。不思議だ。
――そして、次の瞬間。私は驚いた。泣きながら笑っているのだ。哀賭くんが。
無理して笑っているような表情。綺麗な目からは、透明な涙がこぼれる。
何を助ければいいの。あなたは、何を抱えているの。暗い瞳が、哀賭くんの人生を物語っている。
でも、読めない。苦しくて、悲しいことしか分からない。
むしゃくしゃしてたまらなかった。でも、必死に息をした。窒息しそう。直視できない。
まぶしい。どうしようもなもなく好き。助けたい。あなたの想い全部を吐き出してほしい。
あなたの過去を、言葉として私に紡いでほしい。捧げてほしい。
「好き」。この二文字が大嫌いになった。
もともと、愛は嫌いだ。でも、恋を経験して、もっと嫌いになった。
このもどかしい思いを、どうやって言葉にするか分からなかった。だから泣いた。
想いを、涙として、排出した。



