タイトル:
『真実は闇の中の話』
投稿者:
もちごめ
投稿日:
2025/11/29
ご無沙汰しております。
10/15に『みみさん人形の話』を投稿させていただいたもちごめです。何かわかったらまた書き込みますと言いながら、ずっと時間があいてしまって申し訳ありませんでした。
正直、あまりにいろいろなことがありすぎて、書き込みに来る元気さえなかったというのが正直なところです。
これは、みみさん人形の話、のその後の話になります。正直、本当に酷い話なので、残酷な話、鬱な話が苦手な方はブラウザバックをお願いします。
それと、私の名前は作中でナミ、友達の名前はカナコちゃん、私の幼馴染の彼の名前は彼のハンドルネームであるホウキボシで統一させていただきます。
ホウキボシくんがこのサイトに書き込んだのは、私がお願いしたことではなく、偶然でした。皆さんもお察しの通り、彼が言っていたサキが私=ナミのことで間違いありません。彼が言っていたAさんがカナコちゃんのことなのも確かです。
まるで、このサイトに情報を集約しようと誰かに引き寄せられたみたいです。あるいは、誰かが、全てを伝えようと私達をこの場所に集めたのでしょうか。
みみさん人形の正体。
それから、過去に本当に、『深代村の話』で代理人という方が書いたような惨劇があったのかどうか。
残念ながらこれはもう確認が取れませんでした。深代村が存在したのは事実で、それが山崩れでなくなってしまって久しいのも事実です。でも、いかんせん村そのものがなくなってしまっている上、深代村がものすごく閉鎖的な村であり、駐在さんさえいなかったらしいことからもはや記録が何も残っていないのです。
ただ、わかったこともあります。それは、カナコちゃんのお祖母ちゃんのこと。
カナコちゃんのお祖母ちゃんは逆茂木町の町の人間でしたが、その前、どうやらお祖母ちゃんのお母さん=曾祖母が、深代村から逆茂木町の旦那様のところにお嫁に来た人であったようなのです。これは確認が取れました。
それから――家系図と死亡記録です。お祖母ちゃんは全部で六人兄弟だったそうなのですが、お祖母ちゃんのお姉さんが十歳で亡くなっていることがわかりました。それと、実はお祖母ちゃんの息子=お父さんのご兄弟もそう。カナコちゃんのお父さんは知らなくて、今回調べて初めて知ったそうなのですが、お父さんは本当は四兄弟だったらしいのです。
なんと、本来は長女、次女、長男、次男だったでも、長女さんの翌年に生まれた次女――私にとって二人目の伯母さんにあたるはずのその人もまた、十歳で謎の病でなくなったことになっているのです。
残念ながら、次女さんが亡くなった時は兄弟は全員小さな子供で、死因についてはっきり覚えているような人はいませんでした。でも、恐らくこれは、偶然などではないのです。
そして一人だけ、深代村を出た、と言う人を見つけることができました。
深代村の空気がどうしても嫌で、大学進学を機に村を出たというセイジさんという男性です。今はもう六十歳になる人でした。お祖母ちゃんと多少交流があったようで、お祖母ちゃんが保管していた年賀状からその連絡先を突き止めることができたのです。
そのセイジさんに、私はカナコちゃんと、カナコちゃんのご両親と付添って会うことができました。本来部外者の私ですが、既に人形に触って呪いを受けてしまっていることと、カナコちゃんが信頼してくれていたためついていくことを許されたのです。
セイジさんは教えてくれました。
「おようさん、ちゅう女性が本当にいたかはわからんね。なんといっても、室町くらいのことじゃけ。そのあと奴隷の家系が続いたちゅう話やけど、それも絶えたのが明治くらいともなれば、さすがにわたしも生まれてへんし」
ただなあ、と彼は続けます。
「人形があったことは覚えちょる。その人形は増える、深代村の呪いの象徴やということも」
「呪いの象徴?」
「最初は御三家に一体ずつじゃった。でも、いつの間にか数が増えちょるんじゃと。恐らく、引き継ぐべき人間が増えると、それにあわせて人形も増えるんじゃろう。最初は藁みたいなもんで編まれた人形だったのが、段々姿を変えて布の人形になっていった、みたいな話も聞いちょる。真ん中の〝骨〟が無事なら、外側は壊れん程度に繕い直してええ、むしろ直さんと祟られると言われちょったらしい」
その人形は、基本的に女の子から女の子に引き継がれることが多かったそうな。
また、深代村では〝結婚したら必ず女の子を二人以上産むように〟と言われており、事実夫婦において子供ができれば、必ずそのうち最低一人は女の子だったそうです。
「わたしは三男坊じゃったけ。稲生家の血筋じゃってことはわかっちょったけど、儀式のこととかはなーんも教わらんかった。だから詳しいことはなーんもわからん。ただ、二つだけわかっとる。一つは、わたしたち三人兄弟の一番上は本当は女の子で、その女の子は早死にしてるっちゅうこと。それから……村を出る時、両親がわたしにこう言ちょったことじゃ」
『できれば。できれば……子供は作らないでね。特に、女の子を作ってはだめ。呪いを引き継がなければならなくなるかもしれないから……』
「わたしは人形を貰わんかった。それが三男坊だったからか、村を出た上で結婚せんかったからかどうかはわからん。でも、うちにあった人形は、長男の家がとりあえず引き取ったことは覚えちょる。人形が増えて、次男の家にも行ったかどうかはわからん」
カナコちゃんのご両親は知っていました。逆茂木村に来てからも、祖母の家には必ず自分達の苗字以外にもう一つ、草野という表札がかかっていたことを。
その上でセイジさんに全てをお話すると、セイジさんは言いました。深代村の人がひそかにお世話になっていた特別なお医者さんの組織がある。そのお医者さんたちは、医者というだけではなく、霊的なものにも長けていると。恐らく彼らが、儀式の遂行に力を貸していたのだろうと。
「医者の集落は、深代村から離れたところにあちょったから、山崩れでも生き残っとる。そのあとは、普通の医者になったもんもいれば、集落に残った者、それから全国に散らばった深代の呪いの人形の対処に負われちょるもんもおると聞く。……必要なら、わたしが知っとる医者を一人、紹介してもええ」
深代村の儀式に詳しい人ならば、何かこの状況を打破する方法を知っているかもしれない。というわけで、私達は、セイジさんに紹介された病院へ向かうことにしたのです。
ですが。
残念ながら、私達が望んだ答えは得られませんでした。
おようさんが本当にいたという証拠はない。それでも彼女とその子孫代々が深代村御三家に虐げられていたという噂は伝わっていると。その一番最後に死んだ男の子がとてつもない霊能力者であり、彼は最後に先祖であるおようさんの霊を自分の体に呼び降ろして復讐しようとしたと言われているそうです。
『呪うてやる』
伝わっていたおようさんによく似た、それはそれは美しい少年だったそうです。彼は血まみれ、傷だらけ、辱められた体で壮絶に笑って――その時自分を組み敷いていた御三家の男を殺そうとしたのだとか。
それでやむなく御三家の男は彼をその場で殺したそうなのですが、死ぬ間際まで少年は罅割れた声で笑っていたと言います。
『呪うてやるわ』
まるで、女のような声で。あれは、間違いなくおようさんだった、とそう言われているそうなのです。
おようさんと、その子孫たちの恨みは深い。彼女たちは自分を虐げて弄んだ御三家の男女も、自分を売り飛ばした己の両親の血族も、知っていながら見てみぬふりをした村の者も全てを恨んでいたのではないかと。
無理やり子を作らせ、産ませ、その子をも奴隷にし続ける鬼畜の所業。それゆえ、おようさんは御三家の子供達も、その血が絶えるまで許さないと思ったのではないかと。
封じるためには、恨みを晴らさせ続けるしかない。
御三家の者達にできたことといえば、血が絶えないように子供をたくさんつくり、そのうちの女の子一人を犠牲にし続けることしかなかったのだそうです。その儀式をするために霊能力を持つお医者様たちが雇われ、特別な組織となっていったのだと。
儀式をすれば、その代の子供達は助かる。
儀式をしなければ、最後に生まれた子供が二十歳になった時点で、該当の人形に触れていた人間全てに呪いが降りかかる。
儀式を繰り返すほど呪いは蓄積されてしまうけれど、多くの命を救うにはもう他に方法がない。なんせ、現時点で呪ってきている相手はもはやおようさん一人だけではないのだから。
その話を聞いている時、カナコちゃんのご両親は泣いていました。カナコちゃんを犠牲にするか、もう一人次の女の子を産んでその子を犠牲にするか、どちらかを選ばなければならなくなったからです。
私は――私は何度も止めました。他に方法がないのか探そうと言いました。カナコちゃんが二十歳になるまでは猶予があるはず。自分も死ぬかもしれないのは恐ろしいけれど、でも、だからって友達が犠牲になるのは嫌だからと。
でも。
現実的なタイムリミットはあったんです。カナコちゃんのお母さんは、現時点で四十二歳。既に、次の子を作るには厳しい年齢でした。
それで。
私は儀式を見なかった。カナコちゃんは泣いて助けを求めていた。でも、私は、何もできませんでした。
死にたくないという友達を、助けてあげることができませんでした。
儀式の様子を聞く勇気はなかったです。
でも確かなのは、十一月一日の夜から、私がみみさんの人形の夢を見ることはなくなたっということ。
それで全てが終わったことを悟ったのです。
皆さんにお願いです。
どうか、どうか、どうか――呪いを終わらせる方法を見つけてください。恐らくまだどこかに、人形を引き継いだ家はある。カナコちゃんのご両親のところに子供はいなくなったけれど、もし次の子が生まれたら、その子がまた呪いを引き継ぐことになる。地獄は、いつまでたっても終わることがないのです。
もし御三家がやったことが本当ならあまりにもひどい。でもだからって、何の罪もない人がどうして苦しまなければいけないのでしょう?
ですから、お願いします。
終わりにする方法をどうか、私と一緒に探してください。
そうでなければ、誰も報われはしないのですから。
『真実は闇の中の話』
投稿者:
もちごめ
投稿日:
2025/11/29
ご無沙汰しております。
10/15に『みみさん人形の話』を投稿させていただいたもちごめです。何かわかったらまた書き込みますと言いながら、ずっと時間があいてしまって申し訳ありませんでした。
正直、あまりにいろいろなことがありすぎて、書き込みに来る元気さえなかったというのが正直なところです。
これは、みみさん人形の話、のその後の話になります。正直、本当に酷い話なので、残酷な話、鬱な話が苦手な方はブラウザバックをお願いします。
それと、私の名前は作中でナミ、友達の名前はカナコちゃん、私の幼馴染の彼の名前は彼のハンドルネームであるホウキボシで統一させていただきます。
ホウキボシくんがこのサイトに書き込んだのは、私がお願いしたことではなく、偶然でした。皆さんもお察しの通り、彼が言っていたサキが私=ナミのことで間違いありません。彼が言っていたAさんがカナコちゃんのことなのも確かです。
まるで、このサイトに情報を集約しようと誰かに引き寄せられたみたいです。あるいは、誰かが、全てを伝えようと私達をこの場所に集めたのでしょうか。
みみさん人形の正体。
それから、過去に本当に、『深代村の話』で代理人という方が書いたような惨劇があったのかどうか。
残念ながらこれはもう確認が取れませんでした。深代村が存在したのは事実で、それが山崩れでなくなってしまって久しいのも事実です。でも、いかんせん村そのものがなくなってしまっている上、深代村がものすごく閉鎖的な村であり、駐在さんさえいなかったらしいことからもはや記録が何も残っていないのです。
ただ、わかったこともあります。それは、カナコちゃんのお祖母ちゃんのこと。
カナコちゃんのお祖母ちゃんは逆茂木町の町の人間でしたが、その前、どうやらお祖母ちゃんのお母さん=曾祖母が、深代村から逆茂木町の旦那様のところにお嫁に来た人であったようなのです。これは確認が取れました。
それから――家系図と死亡記録です。お祖母ちゃんは全部で六人兄弟だったそうなのですが、お祖母ちゃんのお姉さんが十歳で亡くなっていることがわかりました。それと、実はお祖母ちゃんの息子=お父さんのご兄弟もそう。カナコちゃんのお父さんは知らなくて、今回調べて初めて知ったそうなのですが、お父さんは本当は四兄弟だったらしいのです。
なんと、本来は長女、次女、長男、次男だったでも、長女さんの翌年に生まれた次女――私にとって二人目の伯母さんにあたるはずのその人もまた、十歳で謎の病でなくなったことになっているのです。
残念ながら、次女さんが亡くなった時は兄弟は全員小さな子供で、死因についてはっきり覚えているような人はいませんでした。でも、恐らくこれは、偶然などではないのです。
そして一人だけ、深代村を出た、と言う人を見つけることができました。
深代村の空気がどうしても嫌で、大学進学を機に村を出たというセイジさんという男性です。今はもう六十歳になる人でした。お祖母ちゃんと多少交流があったようで、お祖母ちゃんが保管していた年賀状からその連絡先を突き止めることができたのです。
そのセイジさんに、私はカナコちゃんと、カナコちゃんのご両親と付添って会うことができました。本来部外者の私ですが、既に人形に触って呪いを受けてしまっていることと、カナコちゃんが信頼してくれていたためついていくことを許されたのです。
セイジさんは教えてくれました。
「おようさん、ちゅう女性が本当にいたかはわからんね。なんといっても、室町くらいのことじゃけ。そのあと奴隷の家系が続いたちゅう話やけど、それも絶えたのが明治くらいともなれば、さすがにわたしも生まれてへんし」
ただなあ、と彼は続けます。
「人形があったことは覚えちょる。その人形は増える、深代村の呪いの象徴やということも」
「呪いの象徴?」
「最初は御三家に一体ずつじゃった。でも、いつの間にか数が増えちょるんじゃと。恐らく、引き継ぐべき人間が増えると、それにあわせて人形も増えるんじゃろう。最初は藁みたいなもんで編まれた人形だったのが、段々姿を変えて布の人形になっていった、みたいな話も聞いちょる。真ん中の〝骨〟が無事なら、外側は壊れん程度に繕い直してええ、むしろ直さんと祟られると言われちょったらしい」
その人形は、基本的に女の子から女の子に引き継がれることが多かったそうな。
また、深代村では〝結婚したら必ず女の子を二人以上産むように〟と言われており、事実夫婦において子供ができれば、必ずそのうち最低一人は女の子だったそうです。
「わたしは三男坊じゃったけ。稲生家の血筋じゃってことはわかっちょったけど、儀式のこととかはなーんも教わらんかった。だから詳しいことはなーんもわからん。ただ、二つだけわかっとる。一つは、わたしたち三人兄弟の一番上は本当は女の子で、その女の子は早死にしてるっちゅうこと。それから……村を出る時、両親がわたしにこう言ちょったことじゃ」
『できれば。できれば……子供は作らないでね。特に、女の子を作ってはだめ。呪いを引き継がなければならなくなるかもしれないから……』
「わたしは人形を貰わんかった。それが三男坊だったからか、村を出た上で結婚せんかったからかどうかはわからん。でも、うちにあった人形は、長男の家がとりあえず引き取ったことは覚えちょる。人形が増えて、次男の家にも行ったかどうかはわからん」
カナコちゃんのご両親は知っていました。逆茂木村に来てからも、祖母の家には必ず自分達の苗字以外にもう一つ、草野という表札がかかっていたことを。
その上でセイジさんに全てをお話すると、セイジさんは言いました。深代村の人がひそかにお世話になっていた特別なお医者さんの組織がある。そのお医者さんたちは、医者というだけではなく、霊的なものにも長けていると。恐らく彼らが、儀式の遂行に力を貸していたのだろうと。
「医者の集落は、深代村から離れたところにあちょったから、山崩れでも生き残っとる。そのあとは、普通の医者になったもんもいれば、集落に残った者、それから全国に散らばった深代の呪いの人形の対処に負われちょるもんもおると聞く。……必要なら、わたしが知っとる医者を一人、紹介してもええ」
深代村の儀式に詳しい人ならば、何かこの状況を打破する方法を知っているかもしれない。というわけで、私達は、セイジさんに紹介された病院へ向かうことにしたのです。
ですが。
残念ながら、私達が望んだ答えは得られませんでした。
おようさんが本当にいたという証拠はない。それでも彼女とその子孫代々が深代村御三家に虐げられていたという噂は伝わっていると。その一番最後に死んだ男の子がとてつもない霊能力者であり、彼は最後に先祖であるおようさんの霊を自分の体に呼び降ろして復讐しようとしたと言われているそうです。
『呪うてやる』
伝わっていたおようさんによく似た、それはそれは美しい少年だったそうです。彼は血まみれ、傷だらけ、辱められた体で壮絶に笑って――その時自分を組み敷いていた御三家の男を殺そうとしたのだとか。
それでやむなく御三家の男は彼をその場で殺したそうなのですが、死ぬ間際まで少年は罅割れた声で笑っていたと言います。
『呪うてやるわ』
まるで、女のような声で。あれは、間違いなくおようさんだった、とそう言われているそうなのです。
おようさんと、その子孫たちの恨みは深い。彼女たちは自分を虐げて弄んだ御三家の男女も、自分を売り飛ばした己の両親の血族も、知っていながら見てみぬふりをした村の者も全てを恨んでいたのではないかと。
無理やり子を作らせ、産ませ、その子をも奴隷にし続ける鬼畜の所業。それゆえ、おようさんは御三家の子供達も、その血が絶えるまで許さないと思ったのではないかと。
封じるためには、恨みを晴らさせ続けるしかない。
御三家の者達にできたことといえば、血が絶えないように子供をたくさんつくり、そのうちの女の子一人を犠牲にし続けることしかなかったのだそうです。その儀式をするために霊能力を持つお医者様たちが雇われ、特別な組織となっていったのだと。
儀式をすれば、その代の子供達は助かる。
儀式をしなければ、最後に生まれた子供が二十歳になった時点で、該当の人形に触れていた人間全てに呪いが降りかかる。
儀式を繰り返すほど呪いは蓄積されてしまうけれど、多くの命を救うにはもう他に方法がない。なんせ、現時点で呪ってきている相手はもはやおようさん一人だけではないのだから。
その話を聞いている時、カナコちゃんのご両親は泣いていました。カナコちゃんを犠牲にするか、もう一人次の女の子を産んでその子を犠牲にするか、どちらかを選ばなければならなくなったからです。
私は――私は何度も止めました。他に方法がないのか探そうと言いました。カナコちゃんが二十歳になるまでは猶予があるはず。自分も死ぬかもしれないのは恐ろしいけれど、でも、だからって友達が犠牲になるのは嫌だからと。
でも。
現実的なタイムリミットはあったんです。カナコちゃんのお母さんは、現時点で四十二歳。既に、次の子を作るには厳しい年齢でした。
それで。
私は儀式を見なかった。カナコちゃんは泣いて助けを求めていた。でも、私は、何もできませんでした。
死にたくないという友達を、助けてあげることができませんでした。
儀式の様子を聞く勇気はなかったです。
でも確かなのは、十一月一日の夜から、私がみみさんの人形の夢を見ることはなくなたっということ。
それで全てが終わったことを悟ったのです。
皆さんにお願いです。
どうか、どうか、どうか――呪いを終わらせる方法を見つけてください。恐らくまだどこかに、人形を引き継いだ家はある。カナコちゃんのご両親のところに子供はいなくなったけれど、もし次の子が生まれたら、その子がまた呪いを引き継ぐことになる。地獄は、いつまでたっても終わることがないのです。
もし御三家がやったことが本当ならあまりにもひどい。でもだからって、何の罪もない人がどうして苦しまなければいけないのでしょう?
ですから、お願いします。
終わりにする方法をどうか、私と一緒に探してください。
そうでなければ、誰も報われはしないのですから。



