タイトル:
『妻がおかしくなってしまった話』
投稿者:
砂時計
投稿日:
2025/10/18
つい昨日あったばっかりの話です。
本当はこんなところに書き込んでいる場合じゃないのかもしれませんが、心の整理がつかないので書き込ませてください。本当に、何がどうしてこうなったのかさっぱりわからないんです。ただ、妻の様子的に、何かに呪われた可能性があるんじゃないかと恐怖しています。心当たりがある方、もしいたらコメントをお願いします。
焦っているので、誤字脱字とか、いろいろあったら申し訳ありません。
まず、うちの家族について簡単に説明したいと思います。
俺、三十二歳男。妻、三十六歳女。俺と妻が出会ったのは、とある婚活サイトでのことでした。元々東京に住んでいた俺と、田舎から上京してきた妻。彼女――とりあえず名前をミエコとでもしておこうと思います。ミエコは東京の女性と比べると化粧も控えめだし、なんというかおっとりと楽天的なところがありましたが、俺はそんな彼女の穏やかな性格をとても気に入っていました。
本人は「自分は太っていて美人でもないし、いいの?」と言いましたけど、俺はそんなこと関係ありません。料理上手なところ、気遣いができるところ、それからお互いのプライベートに過剰に踏み込んでこないところ。何もかもが、まるでパズルのピースのようにぴったりとハマって、俺は二十一歳で彼女と結婚しました。
そして翌年にはもう、彼女との間に子供が生まれることになったのです。
娘の名前は、ミサとでもしておこうと思います。妻にそっくりな、目に入れても痛くないほど可愛がっている我が子です。
高卒で、工場で働いていた俺は、娘の養育費を賄おうと必死で働きました。時に帰りが遅くなってしまうこともあったけれど、娘は遅くまで起きて待っていてくれることもあり、休みの日はたくさん遊ぶように心掛けていました。自分で言うのもなんですが、家族仲は非常に良好だったと思います。
ところが、半年ほど前から、段々妻の様子がおかしくなっていきました。
何やら女の子の人形を前に、ぶつぶつ呟いていることが増えたのです。この人形の写真というのがこれです。
→【フェルトと毛糸で作った黒髪おかっぱの女の子の人形。赤い着物を着ている】
この写真だとサイズがわかりづらいと思うんですけど、抱きかかえるテディベアくらいの大きさはあります。母がお義母さんから譲り受けた大事な人形だということで、嫁いでくるときに我が家似連れて来たものでした。いつもリビングで、俺と娘と妻、三人の様子を温かく見守ってくれていたものでもあります。
ミエコはその人形を大事にしている様子ではありましたが、しかしあんな、人間にするように話しかけているのを見たことはありませんでした。
しかも、どうやら夜中に起きてきては、何度もリビングで数十分ほどの間人形に話しかけている様子なのです。俺も一度目撃してぎょっとしました。人形に話しかける妻の様子は、まるで幽霊か何かのようでしたから。
人形が何かを喋ることはありません。でも、妻は本当に、人形の返事が聞こえているかのように話しかけていました。会話は全て聞き取れませんでしたが、大体こんなかんじのことを言っていたと思います。
「お願いします、お願いします、私には娘は一人しかいないんです。連れていかれてしまったらもう誰も残らないんです」
「お願いです、せめてもう一人できるまで、どうか」
「どうか、どうか、御慈悲をください。どうしてもあの子を渡さないといけないのですか。私達にとって大事な、大事な、ああ、ああ……!」
ぶつぶつ、ぼそぼそ。
繰り返される言葉は不吉としか言いようがありませんでした。あの子って、まさかミサのことなのだろうか?渡すって一体どういう?
不気味に思いましたが、妻に問いただしてものらりくらりとするばかりでした。
「ミエコお前、夜中に起きて人形に話しかけていただろう?あれ、一体なんなんだ?」
「話しかけてた?なんのこと?私がそんなことするわけないでしょ。お人形が喋れるわけないじゃない、ねえ?」
「いや、でも……」
まあこんなかんじ。
尋ねても、そんなことしていない、そんな覚えはないの一点張り。俺も最初は気のせいかと思ったのですが、やっぱり何かおかしいのです。だって、夜中にトイレに起きると、必ずといっていいほど彼女の不気味な会話を目撃するのですから。
もちろん、その会話をしている最中に話しかけて止めればいいだけじゃないかと思うかもしれません。でもなぜか、なぜかそれを見たその瞬間は、人形との会話に割って入る勇気が出ないのです。本能的に恐怖を感じる、とでも言えばいいのでしょうか。会話を邪魔したら何か恐ろしいことが起きるような、そんな気がしてしまうのです。
そんなことが半年ほど続き、娘の十歳の誕生日になりました。先月のことです。
俺は大きなケーキを買ってきて、三人でお祝いしました。ミサは友達も読んで近いうちに誕生日パーティもするのだとはしゃいでいた記憶があります。でも。
「そういう約束は、しなくていいと思うわ。パーティがちゃんとできるとは限らないし」
妻はそんなことを言って、何故か誕生日パーティに乗り気でありませんでした。去年は友達が家に来ることも、パーティをすることもあんなに楽しんでいたというのに、です。
なんとなく、嫌な予感がしていました。妻は何か、とても大事なことを隠しているのではないか、と。
予感が的中したのが、まさに昨日のことなのです。俺は、妻がまた夜中に起きた気配を感じて目を覚ましました。いつもと違うのは、何故か妻がミサのことも起こしていたということです。
「ミサ、ちょっと今すぐ出かけなければいけないところがあるの。パジャマのままでいいから、靴下と靴だけ履いて、外に行きましょう」
「え、なんで?パパは?」
「パパは疲れているから、起こしては駄目よ」
スマホを見たところ、なんと午前二時です。明日は朝出かける予定もあったのに、一体何をしようというのでしょう?しかも、パパを起こすな、と言って体よく俺に内緒でミサを連れ出そうとしているのです。
俺は二人に気づかれないように寝室のドアを開けて廊下を見ました。そして、妻がパジャマではなくしっかり外行きの服に着替えていること、その腕に――あの女の子の人形が抱えられていることを目撃します。
頭の中で、嫌になるくらい警鐘が鳴り響きました。
「おい、ミエコ!何してるんだ!」
「!!」
俺が起きてしまったことに気付いたミエコは、今まで見たこともないような顔で振り返りました。そして慌てたように娘の腕を引っ張ると、玄関の外へ飛び出したのです。
「ま、待て!」
俺は出しっぱなしだったサンダルをつっかけて、パジャマのまま外へ飛び出しました。妻が家の前の駐車場に駆け込んだことに気づいてぎょっとします。車でどこかに行こうとしている――運転が苦手な妻が。ろくでもないことなのは明らかです。何より、車に乗って逃げられたらもう追いかけることなんてできません。
幸い、俺は高校まで陸上部だったので、足の速さには自信がありました。駐車場で、妻が車のドアを開ける前に追いつくことができました。ミサを連れているから、そもそも早く走ることもできなかったのでしょうが。
「離して!ミサを連れていかないといけないの!!」
妻は金切り声をあげます。
「でないと、みみさまに呪われてしまうの、呪われてしまうのよ!!」
「お前、何言ってるんだ!?みみさまってなんだよ、連れていくってどこへ!?」
「決まってるじゃない、儀式をやってもらう病院よ!!」
意味がわからない。そもそも、いつも穏やかな妻がこんな風に喚き散らすところなんか初めて見ました。ミエコに腕を掴まれたままのミサは、母親の鬼気迫る形相と言葉に訳が分からない様子で震えています。
「御三家の、アガツマの血を引く家は、必ず定期的に人形を生まれ変わらせないといけないの……!私の姉さんもそうしたのよ!!」
彼女は意味のわからないことをひたすら叫び続けます。
「十歳の女の子がやらないといけないの。私は姉さんがやってくれたから生き残れたの!!」
「十歳って、生まれ変わらせるって、なにが」
「みみさまの魂をよ!女の子のお腹に埋め込んで産み直させるの。そうしないと、みんな呪われて死んでしまうのよ、私もあなたもみんなみんな!!」
まったくわけがわかりません。でも、何かとても恐ろしいことをミサにさせようとしている、それだけはわかりました。だから俺は強引に彼女からミサを奪うと、抱き上げて引き離します。
「ミエコ、お前はおかしくなってる!何か、悪い夢でも見てるんだ。落ち着こう。お前こそ病院に行って治療してもらうんだ」
「違う!私は、おかしくなんかなってない!!」
「ミエコ!」
「お願い邪魔しないで、邪魔しないで、邪魔しないでよ!このままじゃみんな、みんな、みんな、あああ、みみさま、許して、ああああああああああああ許して、許してええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
彼女は頭を掻きむしり、断末魔のような叫び声を上げ続けました。
再三になりますが、これは夜中の二時のこと。閑静な住宅街の駐車場でこんな風に喚いている人間がいたら、近所迷惑になるに決まっています。徐々に近所の人が起きてきて、どうしたどうしたと集まってきてしまいました。
俺はやむなく同じアパートの人に頼んだのです。――救急車をお願いします、と。
ああ、今までずっと、俺達の生活は安泰で、何不自由なく回っていたのに、どうしてこんなことになってしまったんでしょうか。
妻はそのまま救急車で運ばれていきました。まさか、妻の気が狂って、病院に入院する日がくるだなんて。
この時は妻がおかしくなっただけだと思ったんです。でも、俺は妻が忘れていった人形を抱えて家に戻り、朝になったところで気づきました。
リビングのテーブルの上に座っていたはずの人形が、ミサの布団の中で寝ていたのです。
もしや、妻はおかしくなっていなかったのでしょうか?あの人形に何かが憑りついていて、呪われていたなんてことあるのでしょうか?
こういった現象に心当たりがある方、ぜひ教えてほしいです。
『妻がおかしくなってしまった話』
投稿者:
砂時計
投稿日:
2025/10/18
つい昨日あったばっかりの話です。
本当はこんなところに書き込んでいる場合じゃないのかもしれませんが、心の整理がつかないので書き込ませてください。本当に、何がどうしてこうなったのかさっぱりわからないんです。ただ、妻の様子的に、何かに呪われた可能性があるんじゃないかと恐怖しています。心当たりがある方、もしいたらコメントをお願いします。
焦っているので、誤字脱字とか、いろいろあったら申し訳ありません。
まず、うちの家族について簡単に説明したいと思います。
俺、三十二歳男。妻、三十六歳女。俺と妻が出会ったのは、とある婚活サイトでのことでした。元々東京に住んでいた俺と、田舎から上京してきた妻。彼女――とりあえず名前をミエコとでもしておこうと思います。ミエコは東京の女性と比べると化粧も控えめだし、なんというかおっとりと楽天的なところがありましたが、俺はそんな彼女の穏やかな性格をとても気に入っていました。
本人は「自分は太っていて美人でもないし、いいの?」と言いましたけど、俺はそんなこと関係ありません。料理上手なところ、気遣いができるところ、それからお互いのプライベートに過剰に踏み込んでこないところ。何もかもが、まるでパズルのピースのようにぴったりとハマって、俺は二十一歳で彼女と結婚しました。
そして翌年にはもう、彼女との間に子供が生まれることになったのです。
娘の名前は、ミサとでもしておこうと思います。妻にそっくりな、目に入れても痛くないほど可愛がっている我が子です。
高卒で、工場で働いていた俺は、娘の養育費を賄おうと必死で働きました。時に帰りが遅くなってしまうこともあったけれど、娘は遅くまで起きて待っていてくれることもあり、休みの日はたくさん遊ぶように心掛けていました。自分で言うのもなんですが、家族仲は非常に良好だったと思います。
ところが、半年ほど前から、段々妻の様子がおかしくなっていきました。
何やら女の子の人形を前に、ぶつぶつ呟いていることが増えたのです。この人形の写真というのがこれです。
→【フェルトと毛糸で作った黒髪おかっぱの女の子の人形。赤い着物を着ている】
この写真だとサイズがわかりづらいと思うんですけど、抱きかかえるテディベアくらいの大きさはあります。母がお義母さんから譲り受けた大事な人形だということで、嫁いでくるときに我が家似連れて来たものでした。いつもリビングで、俺と娘と妻、三人の様子を温かく見守ってくれていたものでもあります。
ミエコはその人形を大事にしている様子ではありましたが、しかしあんな、人間にするように話しかけているのを見たことはありませんでした。
しかも、どうやら夜中に起きてきては、何度もリビングで数十分ほどの間人形に話しかけている様子なのです。俺も一度目撃してぎょっとしました。人形に話しかける妻の様子は、まるで幽霊か何かのようでしたから。
人形が何かを喋ることはありません。でも、妻は本当に、人形の返事が聞こえているかのように話しかけていました。会話は全て聞き取れませんでしたが、大体こんなかんじのことを言っていたと思います。
「お願いします、お願いします、私には娘は一人しかいないんです。連れていかれてしまったらもう誰も残らないんです」
「お願いです、せめてもう一人できるまで、どうか」
「どうか、どうか、御慈悲をください。どうしてもあの子を渡さないといけないのですか。私達にとって大事な、大事な、ああ、ああ……!」
ぶつぶつ、ぼそぼそ。
繰り返される言葉は不吉としか言いようがありませんでした。あの子って、まさかミサのことなのだろうか?渡すって一体どういう?
不気味に思いましたが、妻に問いただしてものらりくらりとするばかりでした。
「ミエコお前、夜中に起きて人形に話しかけていただろう?あれ、一体なんなんだ?」
「話しかけてた?なんのこと?私がそんなことするわけないでしょ。お人形が喋れるわけないじゃない、ねえ?」
「いや、でも……」
まあこんなかんじ。
尋ねても、そんなことしていない、そんな覚えはないの一点張り。俺も最初は気のせいかと思ったのですが、やっぱり何かおかしいのです。だって、夜中にトイレに起きると、必ずといっていいほど彼女の不気味な会話を目撃するのですから。
もちろん、その会話をしている最中に話しかけて止めればいいだけじゃないかと思うかもしれません。でもなぜか、なぜかそれを見たその瞬間は、人形との会話に割って入る勇気が出ないのです。本能的に恐怖を感じる、とでも言えばいいのでしょうか。会話を邪魔したら何か恐ろしいことが起きるような、そんな気がしてしまうのです。
そんなことが半年ほど続き、娘の十歳の誕生日になりました。先月のことです。
俺は大きなケーキを買ってきて、三人でお祝いしました。ミサは友達も読んで近いうちに誕生日パーティもするのだとはしゃいでいた記憶があります。でも。
「そういう約束は、しなくていいと思うわ。パーティがちゃんとできるとは限らないし」
妻はそんなことを言って、何故か誕生日パーティに乗り気でありませんでした。去年は友達が家に来ることも、パーティをすることもあんなに楽しんでいたというのに、です。
なんとなく、嫌な予感がしていました。妻は何か、とても大事なことを隠しているのではないか、と。
予感が的中したのが、まさに昨日のことなのです。俺は、妻がまた夜中に起きた気配を感じて目を覚ましました。いつもと違うのは、何故か妻がミサのことも起こしていたということです。
「ミサ、ちょっと今すぐ出かけなければいけないところがあるの。パジャマのままでいいから、靴下と靴だけ履いて、外に行きましょう」
「え、なんで?パパは?」
「パパは疲れているから、起こしては駄目よ」
スマホを見たところ、なんと午前二時です。明日は朝出かける予定もあったのに、一体何をしようというのでしょう?しかも、パパを起こすな、と言って体よく俺に内緒でミサを連れ出そうとしているのです。
俺は二人に気づかれないように寝室のドアを開けて廊下を見ました。そして、妻がパジャマではなくしっかり外行きの服に着替えていること、その腕に――あの女の子の人形が抱えられていることを目撃します。
頭の中で、嫌になるくらい警鐘が鳴り響きました。
「おい、ミエコ!何してるんだ!」
「!!」
俺が起きてしまったことに気付いたミエコは、今まで見たこともないような顔で振り返りました。そして慌てたように娘の腕を引っ張ると、玄関の外へ飛び出したのです。
「ま、待て!」
俺は出しっぱなしだったサンダルをつっかけて、パジャマのまま外へ飛び出しました。妻が家の前の駐車場に駆け込んだことに気づいてぎょっとします。車でどこかに行こうとしている――運転が苦手な妻が。ろくでもないことなのは明らかです。何より、車に乗って逃げられたらもう追いかけることなんてできません。
幸い、俺は高校まで陸上部だったので、足の速さには自信がありました。駐車場で、妻が車のドアを開ける前に追いつくことができました。ミサを連れているから、そもそも早く走ることもできなかったのでしょうが。
「離して!ミサを連れていかないといけないの!!」
妻は金切り声をあげます。
「でないと、みみさまに呪われてしまうの、呪われてしまうのよ!!」
「お前、何言ってるんだ!?みみさまってなんだよ、連れていくってどこへ!?」
「決まってるじゃない、儀式をやってもらう病院よ!!」
意味がわからない。そもそも、いつも穏やかな妻がこんな風に喚き散らすところなんか初めて見ました。ミエコに腕を掴まれたままのミサは、母親の鬼気迫る形相と言葉に訳が分からない様子で震えています。
「御三家の、アガツマの血を引く家は、必ず定期的に人形を生まれ変わらせないといけないの……!私の姉さんもそうしたのよ!!」
彼女は意味のわからないことをひたすら叫び続けます。
「十歳の女の子がやらないといけないの。私は姉さんがやってくれたから生き残れたの!!」
「十歳って、生まれ変わらせるって、なにが」
「みみさまの魂をよ!女の子のお腹に埋め込んで産み直させるの。そうしないと、みんな呪われて死んでしまうのよ、私もあなたもみんなみんな!!」
まったくわけがわかりません。でも、何かとても恐ろしいことをミサにさせようとしている、それだけはわかりました。だから俺は強引に彼女からミサを奪うと、抱き上げて引き離します。
「ミエコ、お前はおかしくなってる!何か、悪い夢でも見てるんだ。落ち着こう。お前こそ病院に行って治療してもらうんだ」
「違う!私は、おかしくなんかなってない!!」
「ミエコ!」
「お願い邪魔しないで、邪魔しないで、邪魔しないでよ!このままじゃみんな、みんな、みんな、あああ、みみさま、許して、ああああああああああああ許して、許してええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
彼女は頭を掻きむしり、断末魔のような叫び声を上げ続けました。
再三になりますが、これは夜中の二時のこと。閑静な住宅街の駐車場でこんな風に喚いている人間がいたら、近所迷惑になるに決まっています。徐々に近所の人が起きてきて、どうしたどうしたと集まってきてしまいました。
俺はやむなく同じアパートの人に頼んだのです。――救急車をお願いします、と。
ああ、今までずっと、俺達の生活は安泰で、何不自由なく回っていたのに、どうしてこんなことになってしまったんでしょうか。
妻はそのまま救急車で運ばれていきました。まさか、妻の気が狂って、病院に入院する日がくるだなんて。
この時は妻がおかしくなっただけだと思ったんです。でも、俺は妻が忘れていった人形を抱えて家に戻り、朝になったところで気づきました。
リビングのテーブルの上に座っていたはずの人形が、ミサの布団の中で寝ていたのです。
もしや、妻はおかしくなっていなかったのでしょうか?あの人形に何かが憑りついていて、呪われていたなんてことあるのでしょうか?
こういった現象に心当たりがある方、ぜひ教えてほしいです。



