タイトル:
『とあるWEB小説家の話』
投稿者:
MOTOYA
投稿日:
2025/10/17
事実は小説より奇なり。
というわけで、マジでぞっとした話があるので一つ。
僕は一応、WEB小説家なるものをしている。ぶっちゃけただのワナビで、たまーに公募の一次審査に通ることがあるだけでなんの受賞歴もないおっさんなわけだが。これでもまあ、いつかプロ小説家になれたらいいなあと、会社勤めをしながら十年くらいは書き続けている身なわけだ。
そんでまあ、最近小説投稿サイト『ウェブマ!』に投稿するようになって、そこで同じ小説家志望仲間と知り合うことになり、交流を持つようになったというわけ。
ウェブマ!ってサイトは僕と同じように、ホラー系の作家を目指す人も少なくない。Xでも繋がるようになり、そこで自然とオフ会をするようになり、先日ついに念願の初!作家志望仲間の楽しい飲み会が開催されることになったわけだ。
この時飲み会に参加したのは僕を入れて十五人ほど。結構長らく小説を書いているおっさんおばさんが多くって、年齢が近いからなのか話もあってかなり盛り上がったと言っておく。あと、今回貸し切りで飲み会をしたんだけど、そのお店がまあ、最高にウマいお好み焼き屋で。幹事の知り合いの人の店だったんだけど、特製のカクテルは美味いし、酒の持ち込みはオッケーしてくれるし、お好み焼きは超絶美味いしで最高だったわけだ。
酒も入っていて飯も上手いとなればみんな上機嫌になって――で、その結果、なんか謎の企画が始まったんだよな。
作家らしい企画と言えば企画だ。とどのつまり、まだ未発表の短編小説をこの場でみんな一人ずつ朗読しようぜ企画になったんだ。
もちろん、朗読ってのが苦手な奴もいるにはいる。だから辞退した人も何人かはいたんだけど――その多くが、少ない文字数の話ならばと参加を決意したんだよな。
「なあ、怪談でもいいか?」
そう言いだしたのは、ウェブマ!で僕が一番最初に知り合ったKさんだ。彼は以前書いたけど没にした話があって、それを是非ここで語りたいと言い出した。
再三になるが、ウェブマ!というサイトはホラー小説が人気のサイトでもある。みんな盛り上がって「聞きたい聞きたい!」と手を叩いた。僕もだ。するとKさんは、照明をやや落として貰い、わざとらしく陰鬱な声を出して語りだしたんだ。
「これは、とある村の、恐ろしい儀式の話です」
いつも男らしい口調のKさんから丁寧語が出ると、なんだか変な気分になる。僕達は固唾を飲んで見守った。
「その村に嫁いできたAさんは、嫁いだその日に姑からはっきりと言われました。この村に来たからには、子供は何人も作った方がいい。特に、女の子は二人以上産んだ方がいい、と。実際、村は子だくさんな人が多かったのです。Aさんの旦那さんも、五人兄弟の末っ子でした。上三人が女の子で、下二人が男の子、そのうちの一人がAさんの旦那さんだったようです。どうして女の子を複数産んだ方がいいのか、Aさんは不思議に思いました。跡取りが絶対必要だから男の子が必要と言われるのはわかるけれど、女の子が複数必要というのはわからなかったからです」
それはそうだ。
令和の世の中であっても、田舎の村なんぞは昭和以前の空気を残しているところもあるだろう。つまり、家の跡取りは必ず男児でなければいけない、みたいな風潮があってもなんらおかしくはない。
だが、女児が必要というのは謎である。何も、今時遊郭に出さないといけないなんて馬鹿げた話でもあるまいに。
「その村にはちょっと不思議な習慣がありました。表札の苗字が、何故か二つ以上かかっているのです。『田畑』、という家の表札の脇に小さく『松島家』と書いた表札がかかっているとか、そういうかんじ。これについては、既に理由を聞いていました。この村は大昔、三つの家が取り仕切って作られた村らしいのです。いわば御三家ですね。で、その御三家の血をつぐ家は、必ずそれを示すため元の本家の表札を一緒に掲げる、ということにしいてるらしいです。なので、御三家の血が二つ以上入っている家は、表札がさらに増えるわけですね」
「つまり、御三家のうちの一つが松島家って家だったとして……松島家に生まれた娘さんが田畑家の嫁にいって子供を生んだら、その家も松島家の血が流れてることになるから松島家の表札を掲げるってこと?」
「そうなります。御三家が村を作ったのはもう数百年以上昔のことですから、村の家のほとんどに御三家のいずれかの血が入っていたようです。ほとんどの家に、表札が二つ以上あるわけですね。Aさんが嫁いだ家も同じでした」
なんでも、御三家の血は絶対に途絶えさせてはいけないし、増やさなければいけない。だから必ず子供はたくさん作らなければいけないのだろうなと、まあAさんはそう解釈していたというわけらしい。
子供をたくさん産めっていうのは言うほど簡単なことじゃない。一人産んで育てるだけでも大変なことなのに、自分にできるだろうかとAさんはちょっと不安になったそうだ。
「そんなある時、Aさんはある妙な話を耳にしてしまいます。それは、この村で生まれた女の子は妙に死亡率が高い、ということです。奇妙なことに、死んだ女の子たちには共通点がありました。それは、彼女達はみんな御三家の血を継ぐ子供だったということ。そして、みんな十歳の年に亡くなっている、ということです。Aさんも嫁いで早々、村のお葬式を目にすることになったのですが……不思議なことに、亡くなった女の子は棺を開けることもなかったそうです。まるで、よほど人目に見せられないような酷い死体であったかのように」
「それ」
思わず僕は口を挟んでいた。
「絶対、まともな死に方してないよね?」
十歳の女の子が、突然亡くなる。それだけでもおかしいのに、ヒツギを開けて顔を見せることさえままならない。一体、どんな亡くなり方をしたというのだろうか。
「まったくもってその通り」
Kさんはにやりと笑って言った。
「話を続けます。おかしいと思ったAさんは、村を調べてみることにしました。亡くなった子は御三家の血筋。でもって、どの家でも女の子が十歳で一人ずつ亡くなる。呪いでもない限り、誰かに殺されている可能性が高いのではないかと。……調査したAさんは知ってしまうのです。思った通り、女の子たちは十歳で、村のおぞましい儀式によって殺されているのだと」
その儀式の内容は、おぞましい、なんてものではなかった。具体的にはこうだ。
十歳を過ぎたばかりの、御三家筋の女の子を夜中に連れ出し、ある儀式場に連れていく。その施設には医療設備が万全に整っていて、医者と村の神職たちが揃っているらしい。
女の子は全裸にされると、会陰を切られ、小さな人形を無理やり陰部に入れられる。サイズは指人形くらいなのだが――これを、なんと無理やりこじ開けた子宮口から子宮の中まで入れられるそうだ。
エロ小説なんかだとウテルスセックスなんてありえないものも登場するかもしれないが、あんなもの現実ではありえない。出産の時以外で子宮口は開くようにできてないし、ましてや十歳の女の子じゃ生理だって来ていないかもしれないくらいだ。しかも、これを麻酔もなく、器具で無理やりこじ開ける。そりゃもう激痛なんてものじゃない。
だけど、彼女たちの地獄はここで終わらない。
祝詞を唱えると、子宮の中で人形がぬいぐるみくらいのサイズまで一気に大きくなるらしい。こうなってくると、子宮は耐え切れずに確実に破裂する。最後には、女の子の骨盤と股関節を砕いて、無理矢理下から膨らんだ人形を取り出すらしいのだ。
当たり前だがこんなことしたら女の子は確実に激痛と出血でショック死である。地獄の苦しみの中で死んだ女の子はみんな、顎が外れるほど口を大きく開けて絶叫し、その顔は恐ろしい苦痛に歪んだまま硬直してしまう。――葬式の時に、棺桶を開けられないのは、どう転んでもその歪んだ表情と壊れた顎が直せないから、ということらしかった。
「その人形をどうするのかとか、なんでそんな儀式をするのかはわからない。ただ、Aさんは恐怖しました。自分も子供が生まれたら、同じ目に遭わされるのかと。……そして、村から逃げ出す決意をしたのですが……結局バレて殺されてしまうのでした、おわり」
「ちょおおお」
思わず僕はずっこけた。話が急に終わった。儀式とか、村の様子とかは結構丁寧に描写されていたというのに。
「なんでそこで知り切れトンボ!Kさん、もうちょっとがんばって!」
僕が言うと、どこかこわばっていた空気が和らいだ。他の参加者たちも笑いだし、Kさんも「ごめんごめん」とビールを煽る。
「いやあ、ラストの流れがどうしても思いつかなくてお蔵入りにしたんだわ。つか、Aさんがどうやってこの因習を知っちゃうのか、って流れも思いつかなくてだな。せっかく取材したのになあ」
取材。その言葉で僕は「ん?」と思った。まさか、今の話は。
「ああ、Aさん云々はフィクションなんだけどな」
Kさんはとんでもない爆弾を最後に落としたのだ。
「この風習、マジであったもんだぞ。本当にそういうやべー儀式をやってた寒村があったみたいだ。まあ、その村は何年か前に土砂崩れてなくなっちまってるんだけどな。……問題は、その村から出た人、よそに嫁いだ人って絶対いるってことなんだよなあ」
御三家の血筋ってまだ生き残ってるだろうから、ちょっと怖いよな、と。
彼はそう言って笑ったが、僕はまったく笑えなかったのである。
こんなトンデモ因習が、実在してたまるかと言う話だ。そう、あくまでKさんの創作であったと、信じたい気持ちでいっぱいである。
『とあるWEB小説家の話』
投稿者:
MOTOYA
投稿日:
2025/10/17
事実は小説より奇なり。
というわけで、マジでぞっとした話があるので一つ。
僕は一応、WEB小説家なるものをしている。ぶっちゃけただのワナビで、たまーに公募の一次審査に通ることがあるだけでなんの受賞歴もないおっさんなわけだが。これでもまあ、いつかプロ小説家になれたらいいなあと、会社勤めをしながら十年くらいは書き続けている身なわけだ。
そんでまあ、最近小説投稿サイト『ウェブマ!』に投稿するようになって、そこで同じ小説家志望仲間と知り合うことになり、交流を持つようになったというわけ。
ウェブマ!ってサイトは僕と同じように、ホラー系の作家を目指す人も少なくない。Xでも繋がるようになり、そこで自然とオフ会をするようになり、先日ついに念願の初!作家志望仲間の楽しい飲み会が開催されることになったわけだ。
この時飲み会に参加したのは僕を入れて十五人ほど。結構長らく小説を書いているおっさんおばさんが多くって、年齢が近いからなのか話もあってかなり盛り上がったと言っておく。あと、今回貸し切りで飲み会をしたんだけど、そのお店がまあ、最高にウマいお好み焼き屋で。幹事の知り合いの人の店だったんだけど、特製のカクテルは美味いし、酒の持ち込みはオッケーしてくれるし、お好み焼きは超絶美味いしで最高だったわけだ。
酒も入っていて飯も上手いとなればみんな上機嫌になって――で、その結果、なんか謎の企画が始まったんだよな。
作家らしい企画と言えば企画だ。とどのつまり、まだ未発表の短編小説をこの場でみんな一人ずつ朗読しようぜ企画になったんだ。
もちろん、朗読ってのが苦手な奴もいるにはいる。だから辞退した人も何人かはいたんだけど――その多くが、少ない文字数の話ならばと参加を決意したんだよな。
「なあ、怪談でもいいか?」
そう言いだしたのは、ウェブマ!で僕が一番最初に知り合ったKさんだ。彼は以前書いたけど没にした話があって、それを是非ここで語りたいと言い出した。
再三になるが、ウェブマ!というサイトはホラー小説が人気のサイトでもある。みんな盛り上がって「聞きたい聞きたい!」と手を叩いた。僕もだ。するとKさんは、照明をやや落として貰い、わざとらしく陰鬱な声を出して語りだしたんだ。
「これは、とある村の、恐ろしい儀式の話です」
いつも男らしい口調のKさんから丁寧語が出ると、なんだか変な気分になる。僕達は固唾を飲んで見守った。
「その村に嫁いできたAさんは、嫁いだその日に姑からはっきりと言われました。この村に来たからには、子供は何人も作った方がいい。特に、女の子は二人以上産んだ方がいい、と。実際、村は子だくさんな人が多かったのです。Aさんの旦那さんも、五人兄弟の末っ子でした。上三人が女の子で、下二人が男の子、そのうちの一人がAさんの旦那さんだったようです。どうして女の子を複数産んだ方がいいのか、Aさんは不思議に思いました。跡取りが絶対必要だから男の子が必要と言われるのはわかるけれど、女の子が複数必要というのはわからなかったからです」
それはそうだ。
令和の世の中であっても、田舎の村なんぞは昭和以前の空気を残しているところもあるだろう。つまり、家の跡取りは必ず男児でなければいけない、みたいな風潮があってもなんらおかしくはない。
だが、女児が必要というのは謎である。何も、今時遊郭に出さないといけないなんて馬鹿げた話でもあるまいに。
「その村にはちょっと不思議な習慣がありました。表札の苗字が、何故か二つ以上かかっているのです。『田畑』、という家の表札の脇に小さく『松島家』と書いた表札がかかっているとか、そういうかんじ。これについては、既に理由を聞いていました。この村は大昔、三つの家が取り仕切って作られた村らしいのです。いわば御三家ですね。で、その御三家の血をつぐ家は、必ずそれを示すため元の本家の表札を一緒に掲げる、ということにしいてるらしいです。なので、御三家の血が二つ以上入っている家は、表札がさらに増えるわけですね」
「つまり、御三家のうちの一つが松島家って家だったとして……松島家に生まれた娘さんが田畑家の嫁にいって子供を生んだら、その家も松島家の血が流れてることになるから松島家の表札を掲げるってこと?」
「そうなります。御三家が村を作ったのはもう数百年以上昔のことですから、村の家のほとんどに御三家のいずれかの血が入っていたようです。ほとんどの家に、表札が二つ以上あるわけですね。Aさんが嫁いだ家も同じでした」
なんでも、御三家の血は絶対に途絶えさせてはいけないし、増やさなければいけない。だから必ず子供はたくさん作らなければいけないのだろうなと、まあAさんはそう解釈していたというわけらしい。
子供をたくさん産めっていうのは言うほど簡単なことじゃない。一人産んで育てるだけでも大変なことなのに、自分にできるだろうかとAさんはちょっと不安になったそうだ。
「そんなある時、Aさんはある妙な話を耳にしてしまいます。それは、この村で生まれた女の子は妙に死亡率が高い、ということです。奇妙なことに、死んだ女の子たちには共通点がありました。それは、彼女達はみんな御三家の血を継ぐ子供だったということ。そして、みんな十歳の年に亡くなっている、ということです。Aさんも嫁いで早々、村のお葬式を目にすることになったのですが……不思議なことに、亡くなった女の子は棺を開けることもなかったそうです。まるで、よほど人目に見せられないような酷い死体であったかのように」
「それ」
思わず僕は口を挟んでいた。
「絶対、まともな死に方してないよね?」
十歳の女の子が、突然亡くなる。それだけでもおかしいのに、ヒツギを開けて顔を見せることさえままならない。一体、どんな亡くなり方をしたというのだろうか。
「まったくもってその通り」
Kさんはにやりと笑って言った。
「話を続けます。おかしいと思ったAさんは、村を調べてみることにしました。亡くなった子は御三家の血筋。でもって、どの家でも女の子が十歳で一人ずつ亡くなる。呪いでもない限り、誰かに殺されている可能性が高いのではないかと。……調査したAさんは知ってしまうのです。思った通り、女の子たちは十歳で、村のおぞましい儀式によって殺されているのだと」
その儀式の内容は、おぞましい、なんてものではなかった。具体的にはこうだ。
十歳を過ぎたばかりの、御三家筋の女の子を夜中に連れ出し、ある儀式場に連れていく。その施設には医療設備が万全に整っていて、医者と村の神職たちが揃っているらしい。
女の子は全裸にされると、会陰を切られ、小さな人形を無理やり陰部に入れられる。サイズは指人形くらいなのだが――これを、なんと無理やりこじ開けた子宮口から子宮の中まで入れられるそうだ。
エロ小説なんかだとウテルスセックスなんてありえないものも登場するかもしれないが、あんなもの現実ではありえない。出産の時以外で子宮口は開くようにできてないし、ましてや十歳の女の子じゃ生理だって来ていないかもしれないくらいだ。しかも、これを麻酔もなく、器具で無理やりこじ開ける。そりゃもう激痛なんてものじゃない。
だけど、彼女たちの地獄はここで終わらない。
祝詞を唱えると、子宮の中で人形がぬいぐるみくらいのサイズまで一気に大きくなるらしい。こうなってくると、子宮は耐え切れずに確実に破裂する。最後には、女の子の骨盤と股関節を砕いて、無理矢理下から膨らんだ人形を取り出すらしいのだ。
当たり前だがこんなことしたら女の子は確実に激痛と出血でショック死である。地獄の苦しみの中で死んだ女の子はみんな、顎が外れるほど口を大きく開けて絶叫し、その顔は恐ろしい苦痛に歪んだまま硬直してしまう。――葬式の時に、棺桶を開けられないのは、どう転んでもその歪んだ表情と壊れた顎が直せないから、ということらしかった。
「その人形をどうするのかとか、なんでそんな儀式をするのかはわからない。ただ、Aさんは恐怖しました。自分も子供が生まれたら、同じ目に遭わされるのかと。……そして、村から逃げ出す決意をしたのですが……結局バレて殺されてしまうのでした、おわり」
「ちょおおお」
思わず僕はずっこけた。話が急に終わった。儀式とか、村の様子とかは結構丁寧に描写されていたというのに。
「なんでそこで知り切れトンボ!Kさん、もうちょっとがんばって!」
僕が言うと、どこかこわばっていた空気が和らいだ。他の参加者たちも笑いだし、Kさんも「ごめんごめん」とビールを煽る。
「いやあ、ラストの流れがどうしても思いつかなくてお蔵入りにしたんだわ。つか、Aさんがどうやってこの因習を知っちゃうのか、って流れも思いつかなくてだな。せっかく取材したのになあ」
取材。その言葉で僕は「ん?」と思った。まさか、今の話は。
「ああ、Aさん云々はフィクションなんだけどな」
Kさんはとんでもない爆弾を最後に落としたのだ。
「この風習、マジであったもんだぞ。本当にそういうやべー儀式をやってた寒村があったみたいだ。まあ、その村は何年か前に土砂崩れてなくなっちまってるんだけどな。……問題は、その村から出た人、よそに嫁いだ人って絶対いるってことなんだよなあ」
御三家の血筋ってまだ生き残ってるだろうから、ちょっと怖いよな、と。
彼はそう言って笑ったが、僕はまったく笑えなかったのである。
こんなトンデモ因習が、実在してたまるかと言う話だ。そう、あくまでKさんの創作であったと、信じたい気持ちでいっぱいである。



