ここまで読んでくださった皆さまへ。
長いあいだ、B棟の掲示板に貼られてきた紙や投書、学校からの連絡や住民の声をまとめてきました。
わたしは、この団地の管理人です。
……といっても、いまの読者の皆さんにとっては「作者」と名乗ったほうが通りがいいでしょうか。
掲示板というのは、不思議な場所です。
ちょっとした落とし物の知らせや、ごみ出しの注意、子どもの行事のお知らせ――そういう『人々の感情』が集まります。
でも同時に、不満、恨み、恐怖、祈り、呪い……人が表に出したがらない感情も、なぜか紙に書かれて貼られていくのです。
火事のあと、この掲示板にはあまりにも多くの「声」が集まりすぎました。
その重さが、あの黒い影を呼び覚ましたのかもしれません。
わたしにも、真相はわかりません。
ただ一つ確かなのは、百目鬼家の呪いが火事によって発動して黒い影が産まれてしまったことだけです。
私は赤い紙について調べました。
この地域には赤い紙に関する資料がいくつも残されていて、全ての資料に共通しているのは「特定の血を持つ者が焼かれると黒い影が現れて赤いモノが出現する」「赤いモノは掲示板、瓦版、手紙、新聞、などといった誰かの思いが綴られたもの」であるということ。
きっとネット小説という媒体も赤い紙の代わりとして機能してくれるでしょう。
――B棟管理人
長いあいだ、B棟の掲示板に貼られてきた紙や投書、学校からの連絡や住民の声をまとめてきました。
わたしは、この団地の管理人です。
……といっても、いまの読者の皆さんにとっては「作者」と名乗ったほうが通りがいいでしょうか。
掲示板というのは、不思議な場所です。
ちょっとした落とし物の知らせや、ごみ出しの注意、子どもの行事のお知らせ――そういう『人々の感情』が集まります。
でも同時に、不満、恨み、恐怖、祈り、呪い……人が表に出したがらない感情も、なぜか紙に書かれて貼られていくのです。
火事のあと、この掲示板にはあまりにも多くの「声」が集まりすぎました。
その重さが、あの黒い影を呼び覚ましたのかもしれません。
わたしにも、真相はわかりません。
ただ一つ確かなのは、百目鬼家の呪いが火事によって発動して黒い影が産まれてしまったことだけです。
私は赤い紙について調べました。
この地域には赤い紙に関する資料がいくつも残されていて、全ての資料に共通しているのは「特定の血を持つ者が焼かれると黒い影が現れて赤いモノが出現する」「赤いモノは掲示板、瓦版、手紙、新聞、などといった誰かの思いが綴られたもの」であるということ。
きっとネット小説という媒体も赤い紙の代わりとして機能してくれるでしょう。
――B棟管理人

