1. 発生日時
平成12年8月5日 午前2時10分頃 通報
午前2時14分 第一出動隊現着
午前2時42分 鎮火確認
午前4時30分 現場検証開始
2. 発生場所
市営住宅B棟3階 303号室
鉄筋コンクリート造 5階建て共同住宅
3. 被害状況
死者:4名(303号室居住の一家)
父(42歳・会社員)
母(38歳・主婦)
長女(10歳・小学生)
長男(7歳・小学生)
負傷者:なし(他住戸からの避難者数名)
延焼:303号室全焼、隣接する302・304号室の一部焼損
4. 通報経緯
午前2時10分、通報者は同階302号室の女性住民。
「子供の叫び声が聞こえ、廊下に煙が充満している」と通報。
午前2時11分、別の通報を確認。307号室の男性住民より。
「隣の部屋から炎が出ている」との報告。
5. 初期対応
到着時、303号室玄関から炎が噴出していた。
扉は半開き状態で、内部から爆発音のような破裂音を確認。
現場隊員の報告によれば、室内は既に全面炎上し、居住者の救出は不可能と判断された。
6. 現場検証(概要)
〇出火箇所は303号室リビング付近。
〇台所のガスコンロからの出火可能性は低い(元栓は閉まっていた)。
〇電気配線のショート痕も確認されず。
〇火炎の広がり方から、可燃性液体(灯油またはガソリン)による急速延焼の可能性あり。
〇室内に残された灯油缶(半分ほど残存)を押収。
7. 住民証言(抜粋)
○302号室居住者(女性・当時60代)
午前2時頃、子供の泣き声を聞いた。
おとうさん」と呼ぶ声が複数回。
その直後に廊下で「ドン」という大きな音。
玄関を開けると煙が流れ込み、慌てて通報。
○304号室居住者(男性・当時50代)
炎が出る直前、303号室のドア前に人影を見た。
男性のようだったが、顔は煙で見えなかった。
その人物は炎が上がると同時に姿を消した。
○307号室居住者(男性・当時30代)
「夜中に目が覚めたら隣の部屋から音がした。見に行ったら炎が見えた」と証言。
階段を下り、すぐに通報したとのこと。
聴取の中で「これは303号室住人による自殺だ」と繰り返した。
※307号室住民の証言は、時間や行動に矛盾があると複数の隊員が記録。
8. 特記事項
火災後、現場周辺で「子供の笑い声がした」という証言が複数の住民から寄せられた。
鎮火後の検証時、303号室の焼け跡からランドセルが2つ発見された。
→ ただし内部は空で、教科書やノートは存在しなかった。
焼損現場の壁に「返せ」と赤い塗料で書かれていた。
→ 火災時に発生したか、後から付着したかは不明。
9. 結論(暫定)
出火原因は不明。放火の可能性を否定できず。
303号室居住者は全員死亡。外部からの侵入経路は確認されなかった。
307号室住民の行動に不審点があるが、証拠不十分のため聴取のみで終了。
10. 備考(内部メモ/非公開)
307号室住民が「自分は謝った」「見ていただけだ」と供述していたと隊員の一人が記録。
火災後、廊下に目が描かれた赤紙が落ちていた。証拠品として押収されたが、その後の保管記録に欠落あり。
11. 住民の証言
「炎の中から子供の声がした。『どうして』と何度も繰り返していた」(匿名住民)
「火災の前から、廊下に足跡が残っていた。女性の影を見た気がする」(302号室住民)
「あの晩から掲示板に紙が増えるようになった気がする」(304号室住民)
報告者
市消防局 火災調査課 課長補佐 ○○○○
(作成年月日:平成12年8月20日)
平成12年8月5日 午前2時10分頃 通報
午前2時14分 第一出動隊現着
午前2時42分 鎮火確認
午前4時30分 現場検証開始
2. 発生場所
市営住宅B棟3階 303号室
鉄筋コンクリート造 5階建て共同住宅
3. 被害状況
死者:4名(303号室居住の一家)
父(42歳・会社員)
母(38歳・主婦)
長女(10歳・小学生)
長男(7歳・小学生)
負傷者:なし(他住戸からの避難者数名)
延焼:303号室全焼、隣接する302・304号室の一部焼損
4. 通報経緯
午前2時10分、通報者は同階302号室の女性住民。
「子供の叫び声が聞こえ、廊下に煙が充満している」と通報。
午前2時11分、別の通報を確認。307号室の男性住民より。
「隣の部屋から炎が出ている」との報告。
5. 初期対応
到着時、303号室玄関から炎が噴出していた。
扉は半開き状態で、内部から爆発音のような破裂音を確認。
現場隊員の報告によれば、室内は既に全面炎上し、居住者の救出は不可能と判断された。
6. 現場検証(概要)
〇出火箇所は303号室リビング付近。
〇台所のガスコンロからの出火可能性は低い(元栓は閉まっていた)。
〇電気配線のショート痕も確認されず。
〇火炎の広がり方から、可燃性液体(灯油またはガソリン)による急速延焼の可能性あり。
〇室内に残された灯油缶(半分ほど残存)を押収。
7. 住民証言(抜粋)
○302号室居住者(女性・当時60代)
午前2時頃、子供の泣き声を聞いた。
おとうさん」と呼ぶ声が複数回。
その直後に廊下で「ドン」という大きな音。
玄関を開けると煙が流れ込み、慌てて通報。
○304号室居住者(男性・当時50代)
炎が出る直前、303号室のドア前に人影を見た。
男性のようだったが、顔は煙で見えなかった。
その人物は炎が上がると同時に姿を消した。
○307号室居住者(男性・当時30代)
「夜中に目が覚めたら隣の部屋から音がした。見に行ったら炎が見えた」と証言。
階段を下り、すぐに通報したとのこと。
聴取の中で「これは303号室住人による自殺だ」と繰り返した。
※307号室住民の証言は、時間や行動に矛盾があると複数の隊員が記録。
8. 特記事項
火災後、現場周辺で「子供の笑い声がした」という証言が複数の住民から寄せられた。
鎮火後の検証時、303号室の焼け跡からランドセルが2つ発見された。
→ ただし内部は空で、教科書やノートは存在しなかった。
焼損現場の壁に「返せ」と赤い塗料で書かれていた。
→ 火災時に発生したか、後から付着したかは不明。
9. 結論(暫定)
出火原因は不明。放火の可能性を否定できず。
303号室居住者は全員死亡。外部からの侵入経路は確認されなかった。
307号室住民の行動に不審点があるが、証拠不十分のため聴取のみで終了。
10. 備考(内部メモ/非公開)
307号室住民が「自分は謝った」「見ていただけだ」と供述していたと隊員の一人が記録。
火災後、廊下に目が描かれた赤紙が落ちていた。証拠品として押収されたが、その後の保管記録に欠落あり。
11. 住民の証言
「炎の中から子供の声がした。『どうして』と何度も繰り返していた」(匿名住民)
「火災の前から、廊下に足跡が残っていた。女性の影を見た気がする」(302号室住民)
「あの晩から掲示板に紙が増えるようになった気がする」(304号室住民)
報告者
市消防局 火災調査課 課長補佐 ○○○○
(作成年月日:平成12年8月20日)

