青くん、僕じゃダメなの?

 ついに来たデートの練習の日。
 映画館を観て、ゲームセンターに行ったりと、よく遊んでいるコースだけど、今日は陸がいない。意外にも2人で遊ぶのは初めてだ。いや、遊びじゃなくてデートか。練習だけど。初めはドキドキしていたが、次第に慣れていって、普通に遊んでいるだけになってしまった。これって、青くんがしたかったデートの練習なのだろうか。空くんじゃ練習にならないというのは、こういう意味か、今度は陸と行ってもらおう。
「じゃあ、またね」
 分かれ道で、手を振って帰路に着くと、
「空くん」
 青くんに呼ばれた。振り返ると、青くんは深刻そうな表情をしている。今から何を言われるのだろうと、ドキドキしながら近寄ると、
「空くん、僕のこと好き?」
 青くんは真剣な眼差しで僕を見つめる。
「もちろん!」
 僕は食い気味に答えた。急にそんな当たり前のことを確認するなんて、青くんは可愛い。
「ならさ、付き合って」
 えっ?
 今なんて言われた?
 付き合ってって言われたのか。
「どういうこと?」
「告白だよ」
「の練習?」
「違うよ。告白」
 急展開に理解が追いつかない。
「告白?」
「そうだよ」
「練習じゃなくて?」
「本番」
 青くんは右耳を触っていないから、嘘じゃなさそう。というか、こんな嘘つかないか。
「青くん、僕は大好きだよ」
 僕は青くんに抱きついた。青くんは照れている。