お昼休憩まで、あと1時間。仕事の内容は変わり映えしないけれど、今日はいつもより時間が過ぎるのが早い気がする。たぶん、気持ちがそわそわと落ち着かないせいかもしれない。

 こんな状態で仕事をするのは下手なミスをしそうだと思って、気持ちを切り替えるために普段は職場では飲まないコーヒーでも淹れようかと給湯室へ向かう。

 するとそこには、同じ部署の河田さんと、峰越さんがいた。

 「あ、お疲れさまで〜す」

 「お疲れさまです」

 最悪。その気持ちが、顔に出ないようにやんわりと口角を上げる。こんなところに出くわすなんて、最悪だ。かと言って、回れ右をしたら露骨すぎるので、さっさとコーヒーを淹れてこの場から離れようと決意して、給湯室に足を踏み入れた。

 この狭い給湯室に3人の人が入ると、身動きがしづらい。それなのに、2人はもう1人分のスペースを作ろうなどという動きはせずに、なぜかわたしの方をじっと見る。その視線を気にするなという方が無理なので、わたしはその視線にいま気づいたような素振りをすると、河田さんが峰越さんをちらっと横目で見た後に、改めてわたしに視線を向けた。