佑月くんと数秒見つめ合う。びっくりして固まっている私と、状況を飲み込めずにキョトンとしている佑月くん。
 佑月くんが首をかしげる。「あれ?俺部屋間違えた?」
 あ、えっと…ここは……ていうか、そもそも建物あっていますか?
 こんな、都心から少し離れた月8万の、駅から少し歩いたところにある1DKのマンションなんかに、佑月くんが、なぜ?
 なぜ、あなたがここにいるの?
「は~~~ダメだ俺、めっちゃ酔っぱらってるわ…。」
 佑月くんが、額に手を当てて、ふらふらと壁によりかかる。
「酔っぱらってるところレアだ……かっこいい」
 佑月くんに私の声は聞こえなかったようで、壁に寄りかかってずっとシューシュー言っている。
「あっ。」佑月くんが、玄関に置いてあった、佑月くんの写真に気がついて指をさす。「これ、この前のグッズじゃん!!」
 やば。速攻でオタクがばれた。
「え、お姉さん俺のふぁん!?」
その目は据わっていて、呂律は回っていない。
お酒の匂いがプンプンする。