「コロナのときまじで大変だったなあ。」佑月くんが呟く。「決まってたライブとかいろいろ延期になったり中止になったりして。デビューしてこれからだっていうときに、思うように活動できなくて、すごくもどかしかった。“コロナのせいで”、“コロナなんかなければよかったのに”、って思ってた。」
でも、と佑月くんが私を見る。
「それがあったから、凛ちゃんとは出会えたんだね。」
「きっと、私と同じようなひと、たくさんいます。」私が言うと、佑月くんは頷いて微笑んだ。
「佑月くんのおかげで、私はあの時期すごく楽しかった。」
「俺のどこが好き?」佑月くんが私の顔を覗き込む。
「えっと……。」面と向かって聞かれると、めちゃくちゃ照れる。
「面白いところ」
「面白いところ!?」
「最年長なのに、いたずら好きで、おしゃべり大好きで、でもちゃんと後輩の面倒見が良くて…あと、本当はかっこいいのに三枚目キャラなところが好きです。」
佑月くんの目が点になる。一拍おいてから「めっちゃ嬉しい」ってパアア……!って笑顔になる。
「最初は俺も巧みたいに、センターで王道のアイドルになりたかった。ていうか、みんなやっぱり最初はそこを目指すんだよ。」
佑月くんが自分の手をいじりながら、ぼつぼつと喋る。
