佑月side




「どこ行ってたんですか?」真鍋がキョトンと首を傾げる。
「逆に怖いよ。」
真鍋が俺を見てくる。
家の鍵を、玄関のトレイに置く。カチャリ、と小さい音を立てた。
「別にどこだっていいだろ。」


眞鍋が、うわーって顔して俺を見る。「なんか隠してる〜。」




ことの顚末を一から説明する。別に、全部正直に白状しなくたってよかったんだろうけど、やましいことでもないし、嘘つく方がなんかやましいことしてるみたいだし、事実を話した。


もっと眞鍋にチクチク言われるかと思ったのに、眞鍋は「佑月さんはほんとに、人が良すぎますね。困ってる人をほっとけない性格、ずっと変わりませんね。」と言った。


「眞鍋……。」
言いたいことはたくさんあるだろうに、言葉に出てきたのがそれって、眞鍋ってまじで暖かいヤツだな……。
俺、こいつをマネージャーにして良かっ……


眞鍋が突然バッ!と椅子から立ち上がる。それから俺を見る「待ってくださいよ!?」


「なに」
「それって、隣の部屋に瀬名さんのファンが住んでるってことですか!?!!」
「あー……」
「やばい……。」眞鍋がへなへなと膝から崩れ落ちる。