佑月くんが、私の荷物を持つ。
ふら…ってして体が傾きそうになるのを堪える。
私が寒くて震えていたら、亮ちゃんが車に積んであったブランケットで私をぐるぐる巻きにした。その上から、さらに佑月くんと亮ちゃんが自分の上着を着せてくれた。2人分の上着を被せられて、だるまのようになる私。
「あ、ありがとうございま…っ、グシュンッ。」
鼻水ずびずびだし。
どうしよう、2人に風邪をうつしてしまったら大変だ。
後部座席のドアを佑月くんが開けてくれるけど、その前で立ち止まる。
「どした?」
佑月くんが、私を見る。
「……やっぱいいです。」
「えっ?何?」
佑月くんが、耳を近づける。
「やっぱ大丈夫です。1人で行けます。」
「むりむり、行けへんて」
「いいから。」
2人のアウターを脱ごうとする私を、佑月くんと亮ちゃんが車に押し込む。
