「今まで誰にも言ったことなかったんですけど、今から約10年前、僕は一度本気で、アイドルを辞めようと思ったことがあります。19歳、大学2年生のときでした。
 僕は当時、あんまり目立つ存在ではなかった。この世界は煌びやかに見えるけど、決して綺麗なことばかりじゃない。心をへし折られそうになることもある。努力しても報われない。
 こんなことさっさと切り上げて、別の道に行ってやろうと思いました。
 そん時、俺に「お前とじゃないとデビューしたくない。30になっても一緒にアイドルをやろう」って言った人がいたんです。そのとき、めちゃくちゃ研修生の中でも人気があって、いつデビューしてもおかしくなかった人。亮です。
 亮が居なかったらきっと俺は、あのときあのまま辞めていました。アイドルを辞めて、就活をして社会人になっていたかもしれない。その人生でもきっと僕は幸せだったと思います。