推しが隣に引っ越してきまして





「やけどなぁ、」亮さんがグラスに入った氷を突く。その顔からは段々笑みが消えていく。「そのうち気付く。自分だけの力では、その椅子もそう長くは座り続けられない。結局、感謝を忘れ、驕り、周りの人を大切にできない人間は、いつか足元を掬われる。周り回って自分に返ってくる。」
その目は、懐かしいものを思い出すような、苦い経験を思い出すような温度の低い目をしていた。
「この世界は、椅子取りゲーム。でもな、ひとりで生き残れるような、そんな甘いもんちゃうねん。」


亮さんがズーー!と大きな音を立ててジュースを飲み干す。その音に気づいて、黒田たちがこちらを向いた。亮さんがスって立ち上がる。黒田が、亮さんに気付きヤベッて顔をする。