凛side


金曜日、居酒屋。
奈緒ちゃんがSNSを見ている。




《佑月前雑誌かなんかで困った人ほっとけないって言ってた。ついに人助けまで週刊誌に撮られる(笑)》

《女の子泣いてるっぽいし、ただ慰めてただけかも だからなんだって話だけど。》

《てか佑月くんと繋がれる一般人女性って何?私も佑月くんと繋がりたーーい笑》

《こんなん言ったらキモいかもしれないけど彼が誰かを愛せる人だって知れて嬉しい》

《やっぱりアイドルなんて裏では彼女いるんだ》

《ファンを大事にするとか言ってたの嘘だったんだ》


《でも、彼が今までくれたものは変わらない》


奈緒ちゃんがスマホを机の上に置く。
「まさかそんなことになっていたとは……。」
「はい、すみません……。」
「大丈夫?」
「いやあ……。」
大丈夫ではない。