”凛が、凛のままで生きていけますように。
自分らしく、好きなことは好きなままで、嫌いなことや受け入れられないことを受け入れないままでも幸せに生きていけますように。これからも凛の周りの世界が、凛にとって大切なことを誤魔化さずに生きていける、そんな優しい世界でありますように。
俺はずっとずっと、凛の幸せを願ってる。
たとえ凛のそばを離れなくちゃいけない日が来ても、俺はずっと、凛の味方だよ。”
便箋を、封筒にしまう。
この手紙、いつ渡そうか。考えていると、玄関のドアが開く音がした。とっさに、本棚にある本と本の間に手紙を隠す。
「ただいま」
凛がリビングに入ってくるなり、「疲れた~」って、ソファの俺の隣のスペースに腰掛ける。
