佑月side


車に乗り込む。


「佑月さん、それ。」
眞鍋がバックミラー越しに俺を見て、自分の頭の辺りを指でさす。
「あ?あぁ……これ……。」
くそぅ。カチューシャつけっぱなしだったの忘れてた。
「何美味しいもの食べてたんですか。」車が動き出す。
「ケーキと、チキンと、あとなんだ……。」
凛のコスプレ、可愛かったなあ……。
駐車場を出る手前で車が止まる。


眞鍋が泣いていた。