「どうして泣くの〜」
佑月くんが浴衣の袖で私の目尻を拭う。
「私も佑月くんにいっぱいお祝いしてもらえて、すごく嬉しい。佑月くんを独り占めできて、嬉しい。世界で一番幸せ。」
涙がポロポロこぼれる。
「え〜泣かないで〜」
佑月くんが笑いながら、私の頬を撫でる。


今日がこんだけ幸せだから、もうなんでもいいや。もしかしたら私今、幸せの前借りをしてるのかもしれない。この先の辛いことがあったら、きっと、それは今日の幸せと辻褄を合わせるために存在するんだと思う。そうじゃないと、こんな幸せ、あり得ない。