ちょうど食べ終える頃に次の料理が運ばれてくる。




料理も美味しいし、お酒も美味しい。


「ん〜!」
何このお肉、すごく美味しい。


「美味しい?」
佑月くんが私を見て微笑む。


「うん!」
私が言うと、佑月くんが目尻を下げて頷いて、日本酒に口をつける。


こんな幸せな誕生日、生まれて初めてだ。今までのどの誕生日よりも贅沢で、幸せだった。こんな素敵な誕生日なんか人生のうちにまたあるんだろうか。もしかしたらこれが人生で一番素敵な誕生日になるかもしれない。


目の前にいる佑月くんを見ると、佑月くんも私を見ていて、目が合った。


「来年のお誕生日も一緒にお祝いしような」
佑月くんが言う。
うっかり涙が出そうになった。


「うん」
美味しいお料理を口に運ぶ。せめて今だけは、ずっと一緒にいられることを信じてもいいよね?私は一体誰に許されたいんだろう。