凛side
夜19:00。
帰ってきてさっさとお風呂を済ませ、テレビをつける。今日の夜ごはんは、焼きうどん。さっさと準備ができるから。
『トップバッターはW/Uのみなさんです!』
司会者が、曲紹介をする。
「えっ、1番目!?急いでお風呂入ってよかった〜!」
『どうもこんばんは〜W/Uでーす!』
画面に映し出された5人。
『本日は、今度リリースする僕たちの新曲を初披露させていただきます』
亮ちゃんが喋ったあと、パフォーマンスが始まった。
はぁ〜終わっちゃった〜、佑月くんかっこよかったな……。パフォーマンス後のトークコーナー。
『W/Uの皆さんは、普段ライブ前とか、パフォーマンス前のルーティンとかってお持ちだったりしますか?』
司会者が話題を振る。
『そうですね〜、僕は』
佑月くんがマイクを持つ。
ルーティンかぁ、なんだろう。焼きうどんをずるずる。
『こういう、歌番組とか、ライブとかでパフォーマンスをさせていただくときに、必ずファンの子からのファンレターを折り畳んで身につけるようにしてます。』
佑月くんが、衣装の胸ポケットから、小さく折り畳まれた紙を取り出す。
『実際に僕を応援してくれてる子の言葉を持ってると、応援してくださってる人がいるんだなぁとより実感が湧きますし、気持ちを届けようと気合いが入ります。ファンの子の言葉が僕の、お守りです。』
佑月くんがそれをゆっくり広げる。
亮ちゃんが、『あ、あー!やばいやばい本文隠して!』って笑う。
佑月くんが、中身が見えないように手で紙の表を隠す。
ブーーー!ってうどんを吹き出す。それは、紛れもなく、私の手紙だった。
