推しが隣に引っ越してきまして

凛の家の鍵を閉めようと財布を出す。俺が財布から鍵を取り出したのを見つめる眞鍋。その目は何か言いたげだ。と言うより、言いたいことが山ほどありそうだ。


マンションのエントランスで、眞鍋がポストに鍵を入れる。
「なんでお前が鍵を持ってるんだよ!」
「それはこっちの台詞ですよ!」ようやく眞鍋が口を開いた。たしかに。
「さっき、宮部から渡されたんですよ。」
「お前……凛に会ったの?待ち伏せしてたのか……?」
「なにドン引きしてんですか。ドン引きしたいのはこっちですよ。」
眞鍋の車に乗り込む。眞鍋の運転がいつもより荒い。イライラしてるのが運転から伝わる。この後の取り調べは長くなりそうだ……。