推しが隣に引っ越してきまして



朝。


アラームが鳴って、目が覚める。
目の前には、佑月くんの背中。佑月の肩幅、こうして見るとめちゃめちゃ広い。まるで壁。
佑月くんが寝息を立てて、それに合わせて大きな肩幅が、上下する。
その背中に、ぴと、っとくっつく。
大きな背中がのそ……と動いて、私の方を向く。寝ぼけながら佑月くんが私を抱きしめる。スースー寝息を立てている。
私も、ぎゅって抱きしめる。佑月くんの、香りがする。


佑月くんを起こさないようにそっと布団を抜け出して、身支度をして外に出る。家の鍵……は、合鍵があるから大丈夫だろう。鍵をかけて家を出る。


マンションのエントランスを出る。
夏も終わり、朝は少し肌寒い。