推しが隣に引っ越してきまして



セミダブルのベッドに、佑月くんと並んで寝転ぶ。
2人で並んで寝ると、肩が触れる。寝返りも打てない。
「狭いね。」
「狭いね。」
2人で笑う。
「さすが、180cmの大男。」
「どうも、大きくてすみません。」
佑月くんが笑う。
「この布団、俺以外の人寝たことある?」
「えっ。」
佑月くんを見る。佑月くんもそんなこと聞くんだ。
「いや、なんでもない。ごめん。」
「ないよ。」
「そっか。」
佑月くんがブランケットに顔を埋める。「別に、あっても、いいんだけど。」
「じゃあ、あるよ。」
「えっ。」佑月くんがかばって私を見る。
「嘘ついた。」
「嘘?」また佑月くんが私を見る。
私は、ブランケットに顔を埋めて目を閉じる。
「嘘……?どっちが……?」
佑月くんが呟くのが聞こえた。