佑月くんのドラマの最終回。
『俺、ずっと蘭のことが好きだった。』
私は涙が止まらない。
「そんなに泣くシーンかね?」佑月くんがテレビを見ながら不思議そうにする。
「佑月くんの演技めっちゃ上手くなってるぅ〜。」鼻をずーってかむ。佑月くんがティッシュを取り出して、私の鼻をチーンってする。
「そういうことね……」
「やっぱり、佑月くんってすごい!吸収力が他の人と桁違い!やっぱり頭いいからだ!」
「買い被りすぎだよ。」佑月くんが顔の横をポリポリ掻く。
「監督がまた佑月くんと仕事したいって思うのも納得だね!」佑月くんの方を向くと、佑月くんが私にちゅ、って短くキスをする。
佑月くんが愛しそうに私を見る。まるで、颯が蘭を見つめるみたいに。画面の中の佑月くんと、目の前の佑月くんが頭の中で交錯する。
「監督に、演技上手くなったって褒められた。凛のおかげだよ。」
私のおかげ?
佑月くんが私の頭をくしゃくしゃって撫でた。
