推しが隣に引っ越してきまして



佑月くんのお風呂上がり。私がソファに座り、佑月くんが私の足の間に座る。佑月くんの髪を乾かしていたら、佑月くんが顔を上げる。


「凛からは俺が見えるのに、俺からは凛が見えないって不公平じゃない?」


おぉ……、アイドルしか口に出来ない台詞……。


でも、見えてるのに会えないっていうのも、それはそれで辛かったよ。
ドライヤーを止めて、佑月くんの隣に座る。「前は、見えてるだけでよかったのにさぁ。」佑月くんの肩に、頭をもたげる。「今は、見えてるだけじゃ、嫌になっちゃった。見えてても、側にいてくれないとダメになっちゃった」


佑月くんが、意表を突かれたような顔をする。それから、何も言わずに、私のおでこにキスをした。