「あ、黄島さんおはよ」
「おはよ」

今私を呼んだのは、大学で偶々講義の時間が同じだった時に仲良くなった友人だ。

私、黄島弑（きしましい）はいつもなら夜にコンビニバイトの夜勤でもっと遅くまで寝てるけど今日はこれから講義があるため早く起きてきたのだ。

時間が止まっているかのように長い講義も終わり、今日のバイトもいつものように夜勤なのでそれまでの時間を家で過ごすことにした。

しばらく家でだらだらと過ごしていたけどそろそろ夕方になるので少し早いが軽めに夜ご飯にすることにした。

夜ご飯を買い、帰りに小さい頃によく来ていた高くて海がちょうど見える人気のない丘にせっかくだから行ってみることにした。


相変わらず遮るものもなくきれいに見えている海は沈みかけた夕日が映え、とても絶景のように見えた。

「死ぬならここが良いなぁ」
無意識に出てきた言葉が人のいないこの場所に響いた。

そして夜。
いつものように遅い時間まであるバイトでレジを打つ。
私はあまり人が来なくて忙しくないこの時間が結講好きだ。

そんなことを考えていると少し顔色の悪いお客さんがレジへ来た。

右手の中指だけに指輪をつけていて手に小さくて丸い火傷が何個かついている人だった。普通薬指とか他にも何個かつけるものだと思ったので少し不思義に思ったけど流行っているのかなと思い何も言わなかった。
帰りにお客さんが自分の手を親指が隠れるようにしてにぎるのを見てめずらしい人だなと思った。

「なんかあの人見覚えあるんだよなぁ」

その後は何事もなくバイトも終わり、その日は終わりを向かえた。