あと五日、今日を入れてあと五日で君は二十歳になる。
その日にこの僕、黒田煌(くろだこう)は君を殺す。

君が僕の目的に気がつかないまま誕生日になって幸せが恐怖に変わる瞬間をずっと待ち望んでいた。

黒田煌は楽しそうに、しかし不気味に笑う。
「楽しみだなぁ、君はどんな顔をするんたろう?」

そう呟き、気分が上がった僕は海の見えるきれいな丘の上に行き、月明かりに反射し煌めく波をただただ眺め続けた。