*
古都さんはかっこいい。
すごく、すごくかっこいい。
初めてこの教室に現れたときから、ずっとそうだった。
『はいどーもー! コトコトコでーす!』
あの日、彼女が教室に入ってきた瞬間、ぱっと空気が変わった。
いつもの教壇が、まるで彼女のために用意されたステージみたいに見えた。
いつもの蛍光灯が、まるで彼女だけを照らすスポットライトみたいに見えた。
彼女は立っているだけで、世界中の視線を一身に集めてしまえそうな……、なんと言えばいいのだろう、華やかなオーラみたいなものをまとっていた。
すごく綺麗な人だけど、それだけじゃない。
見た目だけじゃなくて、内面からも溢れ出す、まばゆい輝き。
特別な人なのだと、ひと目見た瞬間にわかって、私は震えた。



