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 古都さんはかっこいい。

 すごく、すごくかっこいい。

 初めてこの教室に現れたときから、ずっとそうだった。

 『はいどーもー! コトコトコでーす!』

 あの日、彼女が教室に入ってきた瞬間、ぱっと空気が変わった。

 いつもの教壇が、まるで彼女のために用意されたステージみたいに見えた。

 いつもの蛍光灯が、まるで彼女だけを照らすスポットライトみたいに見えた。

 彼女は立っているだけで、世界中の視線を一身に集めてしまえそうな……、なんと言えばいいのだろう、華やかなオーラみたいなものをまとっていた。

 すごく綺麗な人だけど、それだけじゃない。

 見た目だけじゃなくて、内面からも溢れ出す、まばゆい輝き。

 特別な人なのだと、ひと目見た瞬間にわかって、私は震えた。