古都さんはすごい。

 強くて、優しくて、まぶしい。

 私もああいうふうになれたら――もう何度、そう思っただろう。

 でも、無理に決まっている。

 私はちゃんと私のことをわかっている。

 彼女みたいに普通を軽々と超えて自由に羽ばたけるのは、それだけの力を持った人だけ。

 私みたいに、普通のことをするだけでも精一杯な人間には、絶対に無理なことだ。

 だから私は、ひっそり古都さんを見つめて、憧れるだけ。

 ほんの少しだけでも近づけるように、羽ばたこうとすることを諦めずにいよう、と密かに心に決めるだけ。