======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
当麻優雅・・・辻鍼灸治療院の常連。
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私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
お馴染みさんは、これでも多い方だ。
今日も、「お馴染みさん」の話。
当麻優雅の場合も1ヶ月に1度は「矯正」を行うが、問題は、身内・親族。
今日は、以前親族にケチつけられて困っていた当麻の治療日。
「どや。夏の自転車は辛いか。」そう言って、私は、使い捨てのおしぼりを出す。
夏の間だけだが、後輩の幸田が紹介してくれた業者のおしぼりを、患者によって出してやる。当麻は、電動アシスト自転車や。
「はい。でも、慣れの問題です。」
治療にケチはつけないが、自転車にケチをつけ、遠回しの攻撃をされていたが、十津川先生のところのリハビリと、ウチの治療で、かなり病状は改善した。
自宅から、ここまで約5キロ。
おしぼりで体を拭いてから着替えて、横になる。
「脊柱管狭窄症や座骨神経痛は、最近は鳴りを潜めています。」
「ええことや。」
「全部、先生のおかげです。」
「皆、そう言う。私より先にくたばらんといて、って。」
「ははは。」
「たまに、出るんか。ビリビリ。」
「冷えてしまった時。だから、春から秋が多いです。」
「今はまだ夏やからな。今日は、処暑やったな。二十四節句は旧暦やさかいな。でも、言うてる内に秋やけどな。」
「先生。また、紅葉撮影して持って来ます。」
「ああ。見せて。楽しみやな。」
当麻は、せめてものお礼に、と自宅から少し離れた長居公園に、春は桜、秋は紅葉を撮影に行く。そして、スマホで撮った動画を見せてくれる。
お互いの信頼関係や。
「ありがとうございます。」精算後、また米つきバッタして、当麻は帰って行った。
そう言えば、つくつくぼうし、鳴いてたな、どこかで。
―完―


