鍼灸師辻友紀乃


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
 半野啓太・・・辻鍼灸治療院の常連。
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 私の名前は辻友紀乃。
 辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
 旦那は「腹上死」した。嘘。
 本当は、がんだった。
 膵臓がん、って奴だ。
 私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
 お馴染みさんは、これでも多い方だ。
 今日も、「お馴染みさん」の話。
 「今日も、たっぷり虐めたるからな。覚悟しいや。」
 「お願いいたします。」
 半野は、マゾだ。それが証拠に「マゾ男!!」と呼ぶと喜ぶ。
 別にSMプレイを楽しんでいる訳では無い。
 電気針には、結構投資している。
 本体のみならず、針は「個人専用」を用意していたが、消毒に手間も金もかかるし、コロニー以降、「清潔」に過敏になった世間の風潮もあって、使い捨て針だ。
 無論、これは通常の針と違い、保険適用は出来ない。
 まあ、客は覚悟をして、やってくる。
 半野も、泉南からわざわざ電車乗って週一で、やってくる。
 半野は、電気針専門や。
 メーターボルテージを少しずつ上げて行き、患者が「痛い!」と言った地点より少し下げてからタイマーをセットする。
 「半野。まだ、股間は使えるか?オシッコ以外に。」
 「お陰様で。」「以前来ていた客でな。72でもAV見ながらGしてた爺がおった。」
 「まだ、赤玉出ないんですね、72歳でも。」
 「アホ。あれは、ものの例えや。ガラガラの福引きやあるまいし。」
 「そうなんですか。」
 「気力体力衰えて、免疫力落ちて、それどころや無くなるだけや。」
 電極を外しながら言った。
 「なんぼでもGしいや。私の写真で、するか?」
 「貰えるんですか?」
 「50万円。」
 「聞かんといたら良かった。」
 私はコミュニケーションの天才やな。

 ―完―