====== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
幸田仙太郎・・・辻鍼灸治療院の常連。茶道部後輩。
柳金吾・・・辻鍼灸治療院の常連。
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私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
お馴染みさんは、これでも多い方だ。
今日は、柳。スケベだが、気が合う患者の一人。
柳は電気針のことが多い。
針を刺し、電極を繋いでいると柳は言った。
「先生、いよいよ6月も終わりですね。もう、あの男も終ってますけど。」
「ナフサ男か。詰むとか言うから、将棋やってんのかと思ったわ。」
「営業事務やってただけの男が、脱サラの積りで個人会社作って、ヤマ師を始めた。それに乗ったのが、『何が何でも総理を引きずりおろしたい』Tテレビ。元社員って威張ってても、懲戒解雇された人も元社員。肩書きは、元の会社の肩書きやなかった。山師、詐欺師、ペテン師。消防署の方から来ました、って言って、カラの消火器売りつけるのと同じ。爺再問題として政府が備蓄を放出して、外交努力でかき集めた石油の量で、山師がインターネットで見付けた『一時情報』は役に立たんようになった。なかなか認めへんのが『赤い思想』の人間。呆れるわ。元の会社に協力も得る事出来ずに、方々に悪態ついて逃亡。どんだけ、ちっちゃいねん。」
「柳はよう知ってるな。」
「体で先生を満足させられへん替わりに、言葉と心でご奉仕しまっせ。」
「ありがとう。負けへんけどな。もう半年経ったんやなあ。あの番組も、エエ加減終ればええのにな。」
私は、スイッチを切り、電極を外し、針を抜いていく。
「次、いつにする?」
精算しながら、私は尋ねた。
「また、電話しますわ。」
入れ替わりに、幸田が入って来た。
「毎度。」「毎度。」
便利な挨拶やな。
―完―


