======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
当麻・・・辻鍼灸治療院の常連。
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私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
お馴染みさんは、これでも多い方だ。
今日も、「お馴染みさん」の話。当麻だ。
針を刺しながら、当麻に尋ねた。
「脚立が倒れてきた、って大怪我にならんかったんか。」
「いえ。3段の奴。エアコンの掃除しよう思って、出してたんです。」
「それで?」「トイレに急いだら、引っかけて。」
「で、脹ら脛、痛めたか。腫れてなかったんやな?」
「はい。骨関係やないとレントゲン映ることない、って前に先生に聞いてたから、取り敢えず冷やしました。肩こりスプレーで。で、前に手の腱鞘炎で、先生にテーピングして貰ったこと思い出して、テーピングしてました。」
「そうか。エエ子や。」と、私は当麻の頭を撫でた。
私は、貼ってあるテープを剥がし、針で治療してから、新しいテープを巻いた。
「いうたら、『スジ』やからな。レントゲンやCTじゃ分かり辛い。救急車呼んでも無駄や。ソレより、かぶれん程度にテープで固定した方が早く治る。」
「はい。最初は難儀しましたが、だんだんマシになって来ました。」
「よっしゃ、治療、終わり。痛かったら、取り敢えず電話するんやで。」
「はい。やっぱり先生は神様です。」
「みな、そう言う。先に死なんといてって。神様は、死ぬんか?」
「さあ。」
精算する時、端数を切っておいた。気持ち、やな。
―完―


