鍼灸師辻友紀乃


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
 鴻巣恭子・・・辻鍼灸治療院の常連。
 幸田仙太郎・・・辻鍼灸治療院の常連。辻の高校の茶道部後輩。

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 私の名前は辻友紀乃。
 辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
 旦那は「腹上死」した。嘘。
 本当は、がんだった。
 膵臓がん、って奴だ。
 私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
 お馴染みさんは、これでも多い方だ。

 今日も、「お馴染みさん」の話。
 鴻巣は、元東京の局アナ。今は、たぶらかした男と一緒になった大阪のフリーアナウンサーや。
 「来たな、蛸女。」
 「イー!!!!!!!」
 鴻巣は吸盤治療だ。
 何故か、恒例になってしまった挨拶。
 勢いよく、すっぽんぽんになった鴻巣に吸盤をあてがって行く。
 「旦那もこさしたら?鮹夫婦、出来るで。」
 「旦那は、肩こらへんもん。」
 「そうか。鮹のつがい、撮影しようと思ってたが、無理やな。」
 「先生、やっぱり、ウイルスやで。」
 「何の話?コロニーやったら終ったやんか。」
 「野党の議員。誰か着ぐるみに入ってるんかな?」
 「ん?」
 「総理を羽交い締めにして、止めた、って。吉村新喜劇も真っ青や。」
 「忠臣蔵やな。『殿中でござる、殿中でござる』」
 「御放しくだされ、梶川殿。御放しくだされ、梶川殿。」
 隣の待合室から、笑い声が聞こえた。
 幸田や。
 「おかしいか、幸田。」
 「吉村新喜劇も真っ青なのは、先輩と鴻巣さんですやん。腹ねじ切れるわ。」
 「ありがと。」
 バスタオル巻いた鴻巣も出てきて、「ありがと。」と、言った。

 鴻巣が帰った後、「やっぱり名コンビや。」と幸田は言った。
 否定出来ない私が、そこにいた。

 ―完―