======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
幸田仙太郎・・・辻鍼灸治療院の常連。辻の高校の茶道部後輩。
桃井圭吾・・・幸田の紹介の患者。
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私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
お馴染みさんは、これでも多い方だ。
今日も、「お馴染みさん」の話。
幸田の紹介で、桃井という患者が来た。
通院が必要かどうかは、初診を受けてから、ということで、やってきた。
桃井は、引っ越した時、交通整理をしている幸田と知り合った。
たまに、電話をして、幸田と親交を深めていた。
珍しく、学生時代茶道部だったので、馬が合ったのだそうだ。
若い頃、突き指をして、たまにおかしい手首が痛み始めた。腱鞘炎かも知れない。
そこで、幸田に相談をして、やってきたのだ。
「痛い!!」
「仕事、何してんの?」
「事務職です。最近、人が辞めて、持ち帰りしてるんですわ。」
「成程。キーボードの過剰打鍵やな。これ、痛いか?」
「痛い!」
私は、左肘の近くのツボを針を打ち、左腕全体を揉んだ。
「湿布、持ってるんなら要らんな。ちょっと、横になって。襲わへんから。」
「ははは。先生、噂に違わず面白い。」
「噂?」「あ、幸田さんが、鍼灸だけでなく、口でも治すんやで、先輩は、っておっしゃっていました。」
私は、肩が異常に凝っていることも確認し、針を打ってやった。
桃井が帰った後、私は幸田に電話をした。
「取り敢えず、月イチで来るって。まあ、同意書は要らんやろ。どこでも人手不足やなあ。」
「社長がアホですねん。外国人2人雇って、日本語出来へんのに。ブルーカラーはそれでええけど、ホワイトカラーは営業で事務でも、べしゃり、だけやったら、文章書かれへんのに。」
「成程な。軽傷で良かった。茶道部やったって。今度、3人でお茶会、しよか。」
「そんな時間ありまへん。」「べしゃり、や。」
―完―


