鍼灸師辻友紀乃


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
 蓮根信一・・・辻鍼灸治療院の常連。

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 私の名前は辻友紀乃。
 辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
 旦那は「腹上死」した。嘘。
 本当は、がんだった。
 膵臓がん、って奴だ。
 私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
 お馴染みさんは、これでも多い方だ。

 今日も、「お馴染みさん」の話。
 針を刺しながら、蓮根に尋ねた。
 「どや、その後。やっぱりアレルギーか?」
 「やっぱり『咳風邪』でした。すんません、この前はドタキャンしてしまって。」
 「ええよ。ようあることや。先生にうつす訳にいかへんって・・・涙出てきたで。今日は1本、オマケしたろ。」
 「ありがとうございます。」
 「ところで、明日、行くの?選挙。」
 「やめときますわ。折角、風邪治ったのに。」
 「そやな。そうしとき。しかし、思い切ったなあ、市橋総理も。」
 「就任後、ずうっとですからね、揶揄されるの。あれ、なんでしょうね。」
 「嫉妬心やな。それと、コンプレックス。オマケに妄想癖。」
 「妄想癖。」
 「コロニー以降、怠け者になったんやマスコミは。ろくに取材せずに妄想して書く、テレビで言う。倒産せん限り反省せえへん。テレビは電波オークションして新しいテレビ局の体制になったから大人しくなったけど、新聞・雑誌はオワコン、まっしぐら。」
 「オワコンって?」
 「終ってるコンテンツの略らしい。コンテンツの意味はわからへんけど、要は『時代遅れ』っていうことやな。『デマ』も100回言えば、ホンマかな?と思うから、100回いうらしい。」
 「アホですね。」「アホや。あんのないアンパンや。」
 「あんのないアンパンやったら、タダのパンですね。」
 「そう。中身の無い奴ら。思いつき言うだけやったら、学校上がる前の子ぉでも言う。さあ、いっちょ上がり。」
 「先生、好きです。」
 「皆、そういう。口説いてもオマケないで。」

 ウチの客は、冗談が好きや。私が『調教』してるからな。

 ―完―