鍼灸師辻友紀乃


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
 幸田仙太郎・・・辻の後輩。
 藤島ワコ・・・藤島病院の娘。看護師。幸田とは幼馴染み。

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 私の名前は辻友紀乃。
 辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
 旦那は「腹上死」した。嘘。
 本当は、がんだった。
 膵臓がん、って奴だ。
 私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
 お馴染みさんは、これでも多い方だ。
 今日も、「お馴染みさん」の話。ていうか、後輩の幸田の話。
 「藤島病院の跡取り、帰ってきたって?」
 「はい。来年から研一さんが院長。今の院長が名誉院長。」
 「なんや、名誉院長って?」
 「普通の会社で言うたら、会長。診察が2人体制。」
 「人、雇わへんの?」
 「来年度から、研一さんの奥さんも入って3人体制。」
 「ワコのこと、知ってるの?」
 「ワコ次第って・・・何で皆で不倫勧めるんですかねえ?」
 「ええやん、ワコは妾でええ、って言うてるんやろ?澄子も承諾してるんやろ?グズグズしてたら、あかんやん。」
 「もう、人ごとや思って。」
 「あ。死んだ、お前の姉ちゃんも公認やったって言って無かった?」
 「でしたけど・・・。」
 「分かった。お前と私の仲やから割り引いてたけど、来年から、割引なし、な。」
 「そんな脅しって、あります?」
 「ワコ、出ておいで。」
 私は、押し入れに向かって言うと、幸田は慌てて押し入れを開けた。」
 「あ。ワコやのうて、蜘蛛やったわ。」
 「もう。堪忍して下さいよ。」
 幸田は、再び横になった。
 幸田は、肩が凝りやすい。左肩中心のマッサージや。
 「もう半月で年末や。あいつの墓参り行くか、幸田。」
 「行きましょう。親族もなかなか来られないって言ってたし。
 あいつ、とは、幸田の後に入った茶道部の後輩の茶側だ。
 結局、不幸なままで終った。
 世の中、ついてる奴と、ついてない奴がいる。
 幸田は、ついてる方やな。
 幸田が精算して帰ると、物置からワコが出てきた。
 「ああ、苦しかった。」
 「心配せんでもええ。私が罠張ったるから。いひひ。」

 私は、後輩には甘い先輩や。

 ―完―