2025-11-01
『会いたい時代』

「会いたい人に会いたいと送れる時代に」
「会いたいと送らないなんて損してるよ」

そんなことを平然と喫茶店で話せるような人。
「会いたい」と言われ、会うことになった人。

出会いはネット上でのこと。
私の投稿を密かに見ていて。

毎日のようにいいねを押してくれていたから
たまに「ありがとう」と連絡をしていた相手。

アイコンは爽やかイケメンそうな感じだったけれど
今、目の前に座っている人は小柄で可愛らしい女性。

私が理想としている女性像を
現に叶えられているその人は
周りからの視線を多く集める。

そんなこと気にしていないような素振りで
「今日は会ってくれてありがとう」と言う。

「こちらこそ、こんな近所に住んでいるなんて」
「こんな可愛らしい友達ができて私こそ嬉しい」

私は何気なく言ったことだけれど
女性は残念そうに俯いてしまった。

「どうして、何か悪いこと言っちゃった?」と私。
「可愛いって言葉あまり嬉しくないかも」と女性。

「ごめんね、私が求める女性像そのものだったから」
褒めてしまえば笑顔になってくれると思っていたが。

「もっと仲良くなれば、内面も知ってくれる?」
外見だけを褒めていた私に、女性の言葉が響く。

「毎日のように投稿にいいねを押してくれるし」
「会いたいと素直に言える内面は素敵だと思う」
「もう仲良しだから、内面も少しは知ってるよ」

そんな言葉を女性にかけてみると
なんだか嬉しそうな表情を浮かべ。

「そう?そうかな。そう思ってくれると嬉しい」と女性。
「そうだよ」と言い、「素直に言えるっていいな」と私。

「ところで、会いたい人がいてさ」
「どんな風に伝えればいいかな?」

ここで冒頭の言葉を言われた。

「会いたい人に会いたいと送れる時代に」
「会いたいと送らないなんて損してるよ」

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