2025-09-30
『視線』
いつからだろう、寂しいのは。
「大好きだよ」と君に伝えた。
けれど君は「ありがとう」と言い
「俺も大好きだよ」とは言わない。
気付いていないだろうけれど
君は好意を口にしなくなった。
一緒にいるときもスマホを眺めてばかり。
ご飯を食べるときでさえも目が合わない。
隣に居てくれるけれども
心は隣ではないみたいな。
同じ部屋で暮らしているから
交わる機会は幾度となくある。
けれど君の視線はいつもスマホに向けられ
私の視線と交わることは無くなっていった。
近くにいるから触れられるのに
触れてしまうのは違う気がする。
「スマホ楽しい?」と聞こうかと思った。
けれど皮肉交じりできっと怒ってしまう。
「なに見てるの?」と肩をぶつけて聞きつつ
君が何を見ているのか横から覗こうとすると。
「見るなよ」と低い声で君に言われ
「ごめん」と咄嗟に謝ってしまった。
きっと浮気されているのかもしれない。
見られたくないものを見ているなんて。
スマホから反射している君の視線と
私の視線が初めて交わった気がした。
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『視線』
いつからだろう、寂しいのは。
「大好きだよ」と君に伝えた。
けれど君は「ありがとう」と言い
「俺も大好きだよ」とは言わない。
気付いていないだろうけれど
君は好意を口にしなくなった。
一緒にいるときもスマホを眺めてばかり。
ご飯を食べるときでさえも目が合わない。
隣に居てくれるけれども
心は隣ではないみたいな。
同じ部屋で暮らしているから
交わる機会は幾度となくある。
けれど君の視線はいつもスマホに向けられ
私の視線と交わることは無くなっていった。
近くにいるから触れられるのに
触れてしまうのは違う気がする。
「スマホ楽しい?」と聞こうかと思った。
けれど皮肉交じりできっと怒ってしまう。
「なに見てるの?」と肩をぶつけて聞きつつ
君が何を見ているのか横から覗こうとすると。
「見るなよ」と低い声で君に言われ
「ごめん」と咄嗟に謝ってしまった。
きっと浮気されているのかもしれない。
見られたくないものを見ているなんて。
スマホから反射している君の視線と
私の視線が初めて交わった気がした。
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