2025-10-17
『嘘を許す季節』
「もう秋だね」と言ってくるから
「もう秋だね」と言い返してみる。
地面にはイチョウの葉が散らかっていて
でもいつも見られる光景ではない訳だし
ハート型を作りたくなる気持ちも分かる。
「金木犀の香りもするね」と言ってくるけど
僕は金木犀の香りがどんなかを判別できない。
でも君にはずっと笑顔でいてほしくて
「金木犀の香りもするね」と言い返す。
嘘って吐いてはいけないものだけども
嘘が優しさになるのなら吐くべきだと
僕はいつも思っているからそう言った。
僕はベンチで座っているというのに
君は一生懸命ハート型を作っている。
「作り終わったら写真撮ろう」と言われ
「そうだね、撮ろう」と微笑みを向けた。
秋、目の前には恋人がいるというのに
懐かしい人を思い出してしまう季節だ。
こうして落ち葉でハート型を作るような人ではなく
「寒いね」と言って手を繋いできた人のことを今も
ふと思い出してしまうことがあるからちょっと辛い。
一度、付き合ってしまった以上は特別な関係で
忘れるなんて無理なことだといつも感じている。
それでも今、目の前にいる恋人を見ていると
過去のことよりも今を大切にしようと思える。
「見て、私が君に向ける思いだよ」と言い
凄く大きなハート型を自慢げに見せてきた。
その自慢げな表情が愛くるしくって
「僕が君に向ける思いだよ」と言い
ベンチから立ち上がって抱きしめた。
抱きしめても暑くならないから
秋って素晴らしい季節だと思う。
「苦しいよ」と頬を赤らめた君が言うけれど
「どう?伝わった?」と僕の言葉に対し君は。
「うん...」と照れた表情で頷いていたから
それがまた愛くるしくって強く抱きしめた。
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『嘘を許す季節』
「もう秋だね」と言ってくるから
「もう秋だね」と言い返してみる。
地面にはイチョウの葉が散らかっていて
でもいつも見られる光景ではない訳だし
ハート型を作りたくなる気持ちも分かる。
「金木犀の香りもするね」と言ってくるけど
僕は金木犀の香りがどんなかを判別できない。
でも君にはずっと笑顔でいてほしくて
「金木犀の香りもするね」と言い返す。
嘘って吐いてはいけないものだけども
嘘が優しさになるのなら吐くべきだと
僕はいつも思っているからそう言った。
僕はベンチで座っているというのに
君は一生懸命ハート型を作っている。
「作り終わったら写真撮ろう」と言われ
「そうだね、撮ろう」と微笑みを向けた。
秋、目の前には恋人がいるというのに
懐かしい人を思い出してしまう季節だ。
こうして落ち葉でハート型を作るような人ではなく
「寒いね」と言って手を繋いできた人のことを今も
ふと思い出してしまうことがあるからちょっと辛い。
一度、付き合ってしまった以上は特別な関係で
忘れるなんて無理なことだといつも感じている。
それでも今、目の前にいる恋人を見ていると
過去のことよりも今を大切にしようと思える。
「見て、私が君に向ける思いだよ」と言い
凄く大きなハート型を自慢げに見せてきた。
その自慢げな表情が愛くるしくって
「僕が君に向ける思いだよ」と言い
ベンチから立ち上がって抱きしめた。
抱きしめても暑くならないから
秋って素晴らしい季節だと思う。
「苦しいよ」と頬を赤らめた君が言うけれど
「どう?伝わった?」と僕の言葉に対し君は。
「うん...」と照れた表情で頷いていたから
それがまた愛くるしくって強く抱きしめた。
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