2025-10-23
『君がいなくなる練習』

やっぱり君のことが好きなんだと
何度も気付かされるよ君に、私は。

固くて開けられなかった瓶を
「貸して」と言って開ける君。

高い位置にあって取れなかった物を
「これ？」と言って取ってくれる君。

重くて１人では持てなかった荷物を
「片方持つよ」と手伝ってくれる君。

ああ、好きだ。

君の名前と同じ漢字を街中で見かけ
「あ、君のだ」と思うほど好きだよ。

君に似合いそうな洋服を見かけ
「買おう」と思うほど好きだよ。

道端に咲いていたお花を見つけ
散歩中に野良猫の家族を見つけ
「君にも見せたい」と思うほど
私は君のこと、本当に好きだよ。

君がこの街からいなくなったとしても
私は君のことをきっと何度も思い出す。

君がこの世界からいなくなったとしても
私が君に抱く好意はきっと薄くならない。

君と出会えて、私は優しくなれたんだと。
「あはは」と笑う君をもっと見ていたく。

朝、「おはよう」と言える大切さに気付く。
同じ朝を共有して、言葉を交わす大切さに。

夜、「おやすみ」と言える大切さにも気付く。
同じ夜を共有して、思いを交わす大切さにも。

いずれは会えなくなることが
定まっている人生なのだから。

愛していたい、ずっと。
気付かされたい、君に。

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