2025-10-25
『恋愛失格』

恥の多い恋愛を送って来ました。

普通の恋愛というものが
僕は見当つかないのです。

恋人からの愛を感じられなくなり
嫉妬させようとしてみたけれども
ただ喧嘩をして冷められた挙句に。

別れを告げられ。

恋人の返信頻度が減ってしまったから
僕もその頻度に合わせてみようと思い
返信を遅らせると冷めたと勘違いさせ。

別れを告げられ。

恋というものが分からないのです。
周りがしているそれを僕はずっと。

勿論、恋人とはイチャイチャもしました。
そのときだけは求められている気がして。

素直に言うけれども、嬉しかったです。

けれども幸福は一瞬で奪われゆき
途方もない孤独が僕を襲うことに。

恋人には埋められぬ寂しさを覚え
他の女性に埋められようとしたが。

幾度となく女性と関わっていても
埋められぬ心だけが取り残される。

そんな或る日のことでした。
別れた恋人とばったり会い。

喫茶店で昔話に花を咲かせました。
「ふふふ」と笑顔でこちらを見る。

駄目だ、もう別れてしまったではないか。
そう心の中では葛藤していたのだけれど。

他の女性では埋められぬ心の穴に
この人の笑顔が丁度よくハマった。

僕はなんて不幸な人間なのだろうか。
こんなにも僕にとって必要な女性を。

自ら手放してしまうとは。

「今はどんな生活をされてるのですか」
僕は不幸であってほしく、質問をした。

が、目の前に座っている女性は僕に微笑みながら
「今は主人と子供に囲まれて、生活をしています」
と、僕に手放されたことを後悔していなさそうで。

可笑しくって笑ってしまった。

僕に手放された女性は幸福を手に入れ
手放した僕は幸福だった女性に気付く。

...哀れかな、哀れかな。

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