ゐ二し古ゑ乃宮中妖りんレん花恋絵巻

… さァ さぁら …
… らん。らん。… …らァん。

… さァ さぁら …
… らん。らん。… …らァん。

… わタの音 … すゞのォと
桜ノ花の 香ヲり …

… たユやかに つぼむ …
… かしほの まにまに …

花の匂ひゎ ワたわタ。
おちに … こちに
オちに 花の わタつみ。

… らァん。

… さァ さぁら …
… らん。らん。… …らァん。

… わタの音 … すゞのォと
花衣の 甘い 香のかほり。
な涙タの ユ夕ふ日 …

… ユク。とけて
きえてしまいそうな …
ユク … 花ノわタつみ。
… あなたの てをひゐて
…ユク。…ユく。

…行く。

… 桜花 ははか 乃ノ野を 行く。
… ユク。… ユく。… 行く。

… カらん。… コロん。

… らん。らん。
… カらん。コロん。

… あメの音 … 踊るゑ馬
… 鈴なりの桜花。
…からきしのこゑ …

… 沈む夕日 … 灯るロウ束
…夕桜。花わた。
たユたゆに … こぼれおちゆく。

夕彩り。花のお祭りの …
オちに … こちに。
おチに あメの香り。
… 花鈴。… 夕鈴。
… どちらの すゞ …

… らん。らん。
… …カらん。コろん。

… らん。らん。
… …カらァん。コろん。

… あメの音と … 踊るゑ馬
… 鈴なりの桜ら。
… からきしのこゑ

… こうこうと 瞬く
しろい … 白い 光のなか ヲ。
…… 桜並木 が 続く …

カラめル のような …
甘い … 花ノミツで できた。
… 砂糖菓子の なか ……
わた乃花か ぽたぽた とユク。

… あの ユ夕ふ月 の。
背ぼうし … 古ゐ 社ろの
… 想ふわ 夜半の ユ夢メ。


………

… あなた だけの もの。
つないだ 火たノぬくもり。
ユ夕ふ桜 の 灯火。
… 火ほノ花。

… こわいよー。
… こっちだよー。

子ども達の …
走ってゆく … 後ろ姿。

… こわいよー。
… こっちだよー。

出たり入ったり …
する … 子ども達の 影。

………

… かきあつめた 桜の花 ヲ。
… この 火 タ に いっぱいにして …
あなたで あふれた …
… この わたし ヲ。はやく …
…独り占めして。

桜花 ははか 乃 野のなかヲ。
……… ふわり。
わたし1と人。
…… 舞ゐおりル。

…… ふわり。

わタし … 1と人。
……舞ゐおりル。

………

おちに ユ夕ふ … 灯火。
こちに 花ノわタつみ。

…五十鈴が 桜畑の 野に
立って といかける …

この広い世界のなかで
… ふたりきり。
あなたしか いないのに。
… どうして。
わたしが いない なんて
いうのでしょう …



………

おちに ユ夕ふ 灯火。
こちに 花ノわタつみ。
… おちに こちに
おちに 夕… 宵イち。
… アめの ヲと。

… カらん。… コロん。

… あメの音 … ゑ馬の風なり

… ぽた。ぽた。………
… ぽた。ぽた。……

花わタ。わタかし。
こちに 白い わた毛の 花畑ケ …

…花鈴 …夕鈴
……どちらのすゞ…

…りんごアメを…
さかさに …ひっくり
…返したみたいな空……

……アメ色の空に
りんご飴のりんかくが

…その赤く染まった……
……頬ヲ…描く……

花の色をした 灯ロウ。

……ぽたぽた…
…ぽォったりとした

…夕窓 …花茜の彩り……

…から。から。…カら。
…ぽたァん。…ぽたん。
……ぽたァん。

花桜らノ雨。花しすく。
…あなたのことを想ゐ出す。
…桜の花の咲いた 夕傘…

…から。から。…カら。
…ぽたァん。…ぽたん。
…ぽたァん。

桃 黄 ミどり の
小粒のアめ。小さなユ夢メ。
…ちいさな ちいさな
こどもの心のなか…

…ビぃどろノ 底がふくらむ…

…ぽっピぃん。
…ぽタん。…ぽたん。
…ぽっピぃん。

…はく雪が 桃色にカラめル…
硝子の音… カラめルのような…
…アめ色ノ 硝子の世界…

…ビぃどろの 面影…

…ぽタん。…ぽたん。
…ぽっピぃん。
…ぽタん。…ぽたん。
…ぽっピぃん。

…ほユり。恋スる…
桜の花がよゐ香りと
…ともに ふわふわと
舞いちった…

…花衣も。
…甘い香ウのかヲり…
たちユき…ユくの まにまに…
…おそろいの花袖が…
桜の花に ゆらゆらと揺れる…

懐から取り出した
…花もち。1つ手にとって
…ふわっと口にした。

……ふわり。
…甘い匂いがする…


…桜色に ぽたぽたと…
匂う花袖 …花ヲ……
摘んだ若宮のたユやかな
…花を ほろみる…

…おち花 鈴こち…
おちに…夕わたつみ
花の宵いち。灯る火 ほ つミ

…〈カミ〉さまの行列がゆく…

…子ども達のこゑ…
花アめのにヲゐ…

…こちに桜花 ははか 乃野。

…振るふ 花袖。鈴の音…

…舞ふ 花ノてふ。火ノ美玉。
…若宮と花宮。花もち。
…ぽォんと花ケ鞠…
…ぽたぽた 浮かぶ…
…白いしろい わたノ畑。

…おかげの花畑ケと
一緒に〈カミ〉さまが行く…
…〈カミ〉さまわ
美玉ノ姿だった…

…おかげヲ花畑ごと
結わゑて…てふつ花つと
その由来のカタチを現す…

…〈カミ〉さまと お使いの
行列が続いてゆく……

…〈カミ〉さまわずんぐりと
した大きなカラダを動かして
…よいしょッとうごいた…

…ぽたァん。…ぽたァん。
…ぽたん。…ぽたん。
…火ユリ 狐火…
…ぽォんと ケ鞠る…

…ひと声 … ふた声…

…ぽたァん。…ぽたァん。
…ぽタん。…ぽたん。
くるんと 火ユら。
…ぽォんと 夕 ケ鞠り。
み声。よこゑ。

…ぽたァんと 狐火。
…ぽたァんと 火ユら。

〈カミ〉さまが ユく…

…たくさんのおかげの
花のマイちる花回廊。
…花ノわたつみ。狐火のアメ…
…あめ色の火ノゆら。

短冊にかいたユメ

…桜ノ花の花畑ケのなか…
…狐火がてんてんと続く。

〈カミ〉さまが通ると…

火がついて…行列がやむと
…火わ 消えていった…

…桜並木ヲ ゆくなか…
…てんてんと 狐火が続く。

…あめ色の火ユり…
…薄紅色に 狐火が連なる…

…ぽた ぽた …ぽたん。
…ぽた ぽた …ぽたん。

あめ色ノ火ユり

…桜並木の途中に 石立ての
灯ロウがあって…

花色の火ユらが続いてゆく…
…弧ヲ描いた花弓が…
花ノわたつみを染めゆく…

…狐火たちが言ふ…

…若。
…この先へ行くか…

…若宮わうなずく…

‐…でわ 案内しよう…‐

…ぽォんとほうり
投げた蹴鞠のように…
狐火わ咲く花に似て
花鞠とちりゆく

…火ユり 恋スる…

…さァ。…さぁら。
…らん。…らん。…らぁん。
…さァ。…さぁら。
…らん。…らん。…らぁん。

わタの音。すゞのヲと。
…桜の花の 香ヲり。
…たユやかに つぼム。

…かしほノ まにまに…

花の匂いわ ワたわタ。
…おちに…こちに

オちに 花のわたつみ。

…さァ。…さぁら。
…らん。…らん。…らぁん。
…さァ。…さぁら。
…らん。…らん。…らぁん。